初めてのレースMAX10SUGO3時間耐久
決意編

再び私はなぜドカに乗るかを考察してみよう。

人間は結構、飽きやすいものだ。私がM900Sを購入してから5年の月日が流れた。これがデジカメならとっくに買い替えている。ところがドカの場合は全く買い替える気が起こらないし、飽きてもいない。なぜだろう。第一の理由はマシンの性能を100%引き出せないからだ。デジタルカメラの場合は実用品なので必要なスペックを満たすモデルを探して購入する。その時点でハイスペック過ぎて使えこなせないという可能性はほとんどない。最初は目新しかった機能も慣れてしまい、手足のように使いこなせるようになる。こうなると次に欠点が見えてくる。ここをこうしたいとか、あの機能も欲しいとか。この過程は恋愛にも似ている気がする。

1.新車を購入=告白!交際開始
イケイケで毎日、楽しくて乗り回す。
ラブラブな恋愛時代どこでデートしても楽しい。

2.カスタムに目覚める=結婚、新婚生活
もっとカッコ良く、もっと速く、もっと乗りやすくなどを
目指して自分好みのマシンに改造開始。恋愛の延長のような
新婚生活が始まり、毎日生活すると相手の知らなかった面も見えてくる。

3.いよいよサーキットデビュー=子供を作って家族を形成
この時点で飽きていなければ、かなりマシンを乗りこなせるようになり、
峠だけではもの足りなくなりサーキット走行会に参加。仕事も家庭も安定
してマンションを購入したり、子供を作ったり、人生設計を構築する。

4.レースに参戦!さらに過激に走る=子供が小学校に入学
ピュアに走ることに目覚め、トランポ購入計画発動。保安部品を外して
純粋なレーサーにするかどうか悩む。セカンドマシンの購入も検討。
一人目が小学校に入学、二人目の子供を検討したりマイホーム購入計画発動。

5.もっと速いマシンを求めて買い替え!=中年の危機
トランポ購入後、徹底的なカスタムをほどこすがタイムが縮まらない。こう
なったら最新型のマシンを購入して直線のスピードを上げるぞ〜。
育児にも手がかからなくなり、仕事も順調、2人の関係は安定しているが、
もうときめくことはないのか? 私は一生専業主婦なの? などの悩み発生。

6.己の腕を磨き直せ!原点に戻る=危機を乗り越え充実した熟年
マシンのせいにしていたが己の未熟さに気が付き、このマシンのままでどこまで
タイムを縮められるか、またはこのマシンで楽しめるレースだけに参加する。
または、マシンを売却して1に戻る。
互いに好きなことをやってみるが、結局、自分を最も理解してくれるのは夫、
または妻であることに気付き、共通の趣味などを見いだしマンネリした生活を
打破して、より深い関係を築いていこうと思う。
または、離婚して1に戻る。

とまあ勝手に書いてみたが、私のイメージはこんな感じである。人が飽きる原因はその物に対して、驚きや感動や好感が得られなくなってしまうからだ。100%理解したり使いこなせたりして、それが自分の一部のように感じられれば買い替える必要もないし、飽きることもない。いわゆる一生モノと呼ばれる物だ。腕時計とかカメラとか万年筆とか、コートとか靴とか。一般的に言うと一生モノは高価であることがおおい。なぜなら機能、質感、デザインなどを突き詰めていくとそれなりにコストがかかるからだ。また、シンプルであることも大切だ。ごてごてしたデザインは飽きやすいし、流行を追ったものは時代遅れになる危険性がある。また、多機能であるより、高い基本性能があって、あとは使い手にまかせてくれる方が応用が利く。

私が始めて購入した大型二輪バイク、ドゥカティM900Sは充分に高い基本性能を備えおり、それをさらにカスタマイズしたのだから、乗り手の能力がバイクに追いつけずに飽きるということは考えられない。さらに時計やカメラに比べてモーターサイクルはカスタムできる範囲が非常に広いので、不満点があってもパーツ交換やカスタマイズでほとんど解消できる点も素晴らしい。

ではなぜレースなのか? アップハンドルで燃費がよくてキャリアが付けられるモンスターなら、むしろツーリングを楽しむ方向ではないのか。もしくは箱根ターンパイクや伊豆スカイラインなどの峠を攻めたり、サーキットが走りたいなら走行会もある。それは私が欲張りだからである。ツーリングも峠も走行会も体験した。確かに面白い。でも、もっと面白いことがあるのではないか? そう思ってしまう。私のM900Sはパワーハウスの中野氏によってカスタマイズされている。最初にSHOPに依頼したのは、モンスターのマフラーを集合にしてセンター1本出しにしたいということだった。それに対する中野氏の返事は、ウチの店は外見だけのカスタムはやらない。もしやるならエンジンから手を入れることになる。こうして、M944R evoの制作が始まったのだ。この時点で私はレースに出場するつもりは全くなかった。また、中野氏のコンセプトも都会に似合う現代のモンスターということで街乗りから峠にまで対応できるマシンを狙っていた。もしレース前提であればノーマルタンクとアップハンドルを残すという選択はなかっただろう。

完成したマシンは自分が思っていた以上に速かった。ノーマルの実力さえ100%引き出せないのに、それを上回る空冷最速のドゥカティとも呼べるマシンを手にしたのだ。このままでは、もったいないので、せっせと走行会に通ったり、うまい人にアドバイスしてもらい、なんとかマシンに恥じない走りをしたいと思ったのだが、人間はカスタマイズして速く走れるようにはできない。努力は実を結ばず、マシンは最速、ライダーは最遅という状態が続いている。ということはサーキットでは激遅になるわけだ。もっと速くなりたい。それには練習。ということで「MAX10」というレースを通じて知り合いになった臼井氏に誘われて筑波サーキットでおこなわれるブリヂストンタイヤの走行会に参加するようになった。そして目標タイムの先にレース参加を考えるようになった。2005年の後半になって、臼井氏から05年MAX10の締めくくりになるSUGO3時間耐久レースに誘われた。SUGOは走ったことがなく、レース経験といえばXR100モタードで参加した「DE耐!」のみである。それ以前にレースに参加するタイムに全然、達していないのだ。速攻でお断りしたのだが、スプリントじゃなくて耐久だから遅くてもいいと言われた。主催者が遅くても言いというならタイム的には問題ナシだ。厳密に言えば「DE耐!」も「MAX10」もレースごっこまたは大人の運動会を標榜しており、みなさんがTVで観たりするメーカーがしのぎを削るようなレースとは違ってなごやかな雰囲気でおこなわれるものである。3時間耐久だから、1人で1時間は走れる。エントリー代2万5000円を払って、1時間SUGOを思い切り走れる走行会だと思えばいいとまで言われて、その気になってきた。もちろん現実はそんなに単純なことではないのだが…

続きを読む