サーキット走行会で限界に挑め!

安全に全開走行できる場所、それがサーキットだ。
果たしてモンスターの実力はどれくらいなのか。

東名高速東京入口に午前5時45分集合。

こうしてパワーハウスが主催するFISCO(富士スピードウェイ)走行会の幕が切って落とされた。
3月にドカを購入したばかりでいきなりサーキットを走るのは、いささか無謀なのだが、せっかくのチャンスなのでエントリーしておいたのだ。とにかく転倒しないで完走することが今回の目標だ。

6時を過ぎてスタッフが到着して、早速出発。しかし、スタッフは車のため結局バラバラになり、御殿場インターを降りてから道に迷いながら、ようやくメインゲートに到着。ところが早すぎてまだゲートが開かない。
早速、マシンの点検に入る人などもいて、早くも緊張した雰囲気が漂う。

メインゲートが開くと入場料1600円を支払い、サーキットの中でも迷子になる。何しろ霧がひどくて、前がほとんど見えないのだ。テストコース方面まで行きそうになり、止まっていると後続車が来てBパドックの場所を教えてもらう。ここでまず車検を受けるのだ。トランポに積まれた早そうなマシンも下ろされ、50台を超えるドカが集合した。車検は空気圧とチェーンの張りなどをチェックするもので、これが終わるとライト類を外すかテーピングする。これでガソリンさえ入れれば準備完了だ。実は車検の前にテーピングとガソリン補給を済ませておいたほうが良かったらしい。

霧で走行が危ぶまれたが、サーキット貸し切りの走行会ということで許可がおりた。パワーハウスが主催しているため、この走行会はツナギでなくても革の上下ならOKで、ワイヤリングも不要なのだ。マシンにも制約がなくグループ分けもない。とにかくみんなでサーキットを楽しむというノリだ。

午前中は完熟走行、コースを覚えタイヤが暖まったら、フリー走行になるらしい。オーナーの中野鉄雄氏から、コースについての説明があった。
「サーキット初めて走る方は手を挙げてください。はい、わかりました。その方はライン取りとか考えなくてもいいですから普段と同じに走ってください。とにかく前だけ見て走ってくださいね。後ろは気にしなくてもいいですよ。バックミラーも見えませんから。速い人は勝手に抜いていきますから、心配ありません。
後は急に進路変更したり、ストレートで減速したりしないでくださいね。注意事項はそれだけです」

このようなビギナーを安心させる説明とフラッグの説明などがあり、いよいよパドックへ。
我々はピットA棟の15番ピットが割り当てられた。ここに荷物などを置いて、遂にピットロードから
サーキットに入った。メインスタンド前で2列に並び。スタッフからの合図を待つ。
ドカの排気音で周囲の音はなにも聞こえなくなる。そしてスタート。

1周4.4kmのこのコース最初の第一コーナーは30Rだ。ゆるい下り坂で、これをこえるとサントリーコナー、100Rコーナー、MCコーナー、ダンロップコーナー、最終コーナーがありグランドスタンド前のストレートに続く。というのはいま調べて分かったので、当日はどんなコースか全然知らなかった。コース図は見ていたのだがこれがイメージとは全く違っていた。

まず、サーキットはとてつもなく広いのだ! そして長い。第一コーナーを抜けてからサントリーコーナーなんて全然見えない。しかも道幅が広いから好きなラインが取れる。2周目にして早くもタイヤが暖まったのか、みんなが全開走行に入る。走行会に来るだけあって、みんなメチャクチャ速い。

テレビやビデオでしか見たことのなかったフォームが目前に繰り広げられる。
ブレーキングの前に体重移動を済ませ、スパッと減速してフルバンク。そのまま加速して見えなくなる。
S字コーナーもみんな超カッコイイ! そして私は超遅いではないか。

その原因は、1.ストレートで遅い。2.コーナーで遅い。これじゃ遅くて当たり前だ。しかし、直線ではアクセル全開でメーター読み180kmは出ているのだが、両側からブチ抜かれる! コーナーではせっかくブレンボレーシングのパッドとマスター付けたのにブレーキングする場所がよくわからず、スパッとバンクできない。それ以前に全然、バンクしてないじゃないか。走行会前日にパワーハウス最速の方が言った言葉を思い出す。
「モンスターだと富士の直線はきついよね。長くて全然、終わらない。それからマフラーがノーマルだとすぐに擦っちゃうよね」

最初の言葉は当たっているのだ、次は外れ。マフラーもステップも膝もどこもかすりもしない。S字なんかは止まりそうに遅い。次々と抜かれ、とうとうビリになってしまった。パワーハウス最遅の男だ。っていうか女性にも抜かれたので正しくは『パワーハウス最遅の人間』である。とにかく転倒はしなかったので、皆さんに迷惑はかけなかったと思うが、みんなにはコース上にある黄色いパイロンと思われたに違いない。

頭では分かっていたのに倒せない、曲がらない、これがドカの奥深さなのか、というか私がヘタッピなだけなのだが、今度はライディングスクールを受講してみようと心に誓うのであった。