空冷Monsterのオーナーとして気になる存在、それは水冷4バルブのS4だ。
実はいままでサーキットでS4を試乗する機会があったのだが、あえて乗らなかった。
なぜなら、スゲー速くてグイグイ曲がったりすると非常に悔しいからである。
しかし、2002年モデルから空冷のMonsterまでフレームがS4と共通になってしまうと、
これからの本流はS4なのか、S4にあらずばMonsterにあらず、おごれるSはひさしからずや、すべての道はS4に通じる
っていう感じになってきた。このまま見過ごすわけにはいかない。一度キッチリ、S4に乗ってみる必要がある。
そう思った私は一路TOMATO MOTORSへ。なぜなら、ここにはオリジナルマフラーとアエラのクラッチレリーズマスターが入ったS4の試乗車があるのだ。すでにサーキットでも走行済みなので、思い切り回しても構わないという。
快晴で路面のコンディションが絶好調のある日。このS4に乗せてもらった。コースは新青梅街道を起点として長方形で、
残念ながら連続したコーナーはない。アイドリングはノーマルと同じぐらい静かなペペロンチーノの排気音を聞きながら、
ウインカーを出してそろそろっとスタート。
まず感じたのはハンドルが低く、かなり前傾姿勢になること。そして乗ってみるとドッシリしていて、これがあの軽快な
Monsterの仲間とは思えない。つまり重いのだ。新青梅街道に入り、アクセルを開ける。
驚いたことに3000回転から凄いトルクでグイグイと重い車体を引っ張り加速が始まる。これならちょっと走るだけでは、
セカンドギアだけで、事足りてしまう。試乗コースはすぐに信号で左折となる。赤信号で先頭に出て、
カーブを立ち上がってセカンドに入れて加速すると低いハンドルのポジションが決まって、非常に安定している。
ちょうどマルケジーニのマグネシウムホイールを履いたように車体が安定して、路面からの情報も伝わってくる。
サードギアに入るが信号ですぐにストップ、T字路にぶつかり左折する。ここから車が詰まるが、この安定感のおかげで、
すり抜けも恐くない。さらに低速トルクがあるので、アクセルをちょっと開けるだけでスイスイ走れる。また左折して
新青梅街道を目指す。コーナーはヒラリではなく、ゆっくりと倒れ込んでいく。ただし重いという感じはしなかった。
2周してもいいというお言葉に甘えて、新青梅街道でアクセルをガバッと開けて加速!
サードギアで6000回転を超えると、素晴らしい加速が… しかしメーターを見るとすでに120kmを超えている。
クソー前が詰まっているとか、そういう問題じゃなくてヤバイですこれは。
アクセルを開けるだけで山も谷もなくズバーッと加速していくのは
さすがインジェクションと水冷エンジンの組み合わせだ。
乗る前までは、何だよこのハンドル、交換するっきゃねえなと思っていたのだが、試乗していみると結構正解なのだ。
ペペロンチーノの抜けが良くなったエンジンはアクセルレスポンスが良く、知らない間にスピードは3桁に達する。
しかし、空冷に比べと明らかに重い感じがする。例えて言えば、空冷がCB250RS(古い!)だとすると水冷はCB750Fという
感じなのだ。他のS4体験者も書いているがエンジンが滑らかに回りすぎてLツインらしくないという感想にもうなずける。
「最新のポルシェが最良のポルシェ」ということわざもあるが、それはポルシェになにを求めるかもよるわけで、メーカーの
考えている最良の方向性が変わってくれば、ユーザーが求めるものが最新の中にあるとは限らない。
その点、ドカティは水冷を発売しても空冷を残すというラインアップは偉い。
空冷のMonsterを944ccにボアアップしてハイカムを入れたものにも乗らせてもらったが、こちらは低速トルクがない分だけ
体感的には6000回転過ぎてから加速が強烈に思えた。速さは相対的なものと考えるとより遅いスピードで速く感じられる
空冷944ccやM400の方が、より安全で気持ちがいいとドカとも言える。
サーキットに持ち込んで絶対的な速さを求めるなら、S4だが、コーナーの攻略が難しそうだ。もしかすると誰かのように
のんびりツーリングしたり、都内を走ったりするのに向いているのかもしれない。とにかく楽ちんで速いのがS4だ。
エンジンに手を入れる必要はないのだから、これで軽量化すればヒラヒラして加速も凄いMonsterの正しい進化形マシンが
生まれるのかもしれない。
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