A road to GILERA
憧れのGILERAを求めて

学生時代から単気筒が好きだった。初めて買ったオンロードバイクはHONDA CB250RS。
280ccにボアアップして、ハイカムを入れ、大学までの道を毎日走った。ツーリングにも行った。
好みのバイクは、単気筒、始動はキックペダル、ネイキッド、スポークホイール、ライトは丸目。

学生時代、オンとオフで2台持っていたバイクを社会人になって、1台にまとめた。選んだのはMTX200。
仕事が忙しくなり、未舗装路も舗装され、林道はどんどん立派な道路に替わっていった。もう一度、オンロードに
乗りたくなった。SRX250を手に入れた。思っていたバイクとは違った。もっと大排気量のシングルに乗りたい。
バイク屋を巡った。候補はSRX400の2型だった。環八沿いの『Orange boulebard』で真っ赤なバイクに出会った。
GILERA SATURNOだった。イタリア製のバイクを初めて間近で見た。100万円近い価格にも驚いた。

手の届かない所にある理想のマシンだった。そして私は、SRX400を手に入れた。
今度は期待通りの単気筒だった。スリムで軽く、トルクがあって曲がりやすい。
さらに忙しくなり、絶対に二輪からは降りないと思っていたのだが、SRX400を手放すときが来た。
忙しさがたたって体を壊し、何度か入退院を繰り返した。心機一転して職場を変え、大型二輪免許も取った。
DUCATI M900Sを手に入れた。オンロードでは初めての新車だった。夢中になった。カスタムにはまった。
ドカはショップに入っている期間が長くなった。GILERAのことを思い出した。

ヤフーオークションをチェックすると、かなり値段がこなれている。手の届く金額だった。
アラートを設定して、本格的に探し続けた。1988年のIOMが出品された。SRX400を手に入れたときに発売された
限定車だった。マン島TTレース完走を記念して作られたマシン。チュリアーニ製のフロントフォークとステアリングダンパー、ステンレス製のエキパイと2本出しマフラー。ホワイトパワーのリアサス、そしてスポンジの貼られたシングルシート。真紅のホイール。TT2に間違いない。当時の価格は158万円。それが今では1/4以下で手に入る。
知人に車を出してもらい、実車を見に行った。屋寝付きの車庫で保管されたGILERAは、当時のままの真紅の輝きを放っていた。入札者はいなかった。出品者には、しばらく待ってもらうように頼み自宅に戻った。普段の足に使っていたDUCATI M400を手放して資金を作り、GILERAを手に入れることに決めた。

12月初旬、M400はオークションで落札され、12月25日のクリスマスにGILERAを取りに行った。

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