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海老名SAに午前5時集合。
夜明け前の環八はまだ薄暗く、大型トラックの隙間をぬうようにして東名高速道路の右折車線にたどり着く。
連休初日とあって高速は料金所から、すでに混雑をみせている。速攻でチケットを受け取り左側にバイクを寄せた。
そこには黄色のSS900と真紅の996が停車していた。彼らも箱根を目指しているのだろうか…。
そう思いつつ、ハンドルポストに付けたカシオ・プロトレックを確認すると4時32分。
まずい、意外と環八で時間を食ったようだ。
右にウインカーを出すと2500rpmでクラッチをつなぎ、素早くセカンドにシフトアップ。
7000rpmまで回すと車の流れに乗った。さらに加速しながら、追い越し車線へ。
160kmを超えると猛烈な風圧に上半身がさらされる。M900のマスコットカウルでは、
とうてい避けきれない空気の壁を切り裂きながら、さらにアクセルを開ける。
前からと横からの風と戦いながら、4時48分、海老名に到着。
すでに彼らは来ていた。4人でスタートしたが2名が途中ではぐれたという。
ということは東名の入口にいた2人がそうだったのか。数分後、その推測が正しいことが分かった。
自己紹介もそこそこにドライブマップを広げ、ルートを検討する。
小田原厚木道路から箱根ターンパイクを目指す。
日が昇り、雲一つない快晴。早川料金所に到着。
ラッキーなことに四輪が全くいない。
早速、コースを確かめつつタイヤを暖めるため走り出す。
ターンパイクには4つの駐車場がある。御所ノ入駐車場。見晴台駐車場。鍋割駐車場。白銀駐車場である。
全長14.1km、上下一車線、カーブの最小半径100mのこのコースはコーナーにバンクまで付けられた
格好の高速コースである。料金所から4km地点に御所ノ入橋がある。ここまでは急勾配の上り坂だ。
そして、御所ノ入駐車場から鍋割駐車場までの4kmがコースのハイライトである。
駐車場から2つほどコーナーを超えると、追い越し車線のある左コーナーへ。ターンパイクで2番目に
大きなコーナーである。そこから橋を渡って2つ目のコーナーが最大のものだ。奥に行くほどアングルが
きつくなるので気が抜けない。ロングコーナーを抜けゆるやかなS字をクリアすると見晴らしのいい
コーナーがあり右手に鍋割駐車場がある。ここからは10kmはアップダウンが続きゆるやかに蛇行しながら
道が続く。白銀駐車場を過ぎると大観山手前ストレートに入る。そしてゴールのドライブイン大観山で
方向転換して、また来た道を走る。こうして最後に料金所手前でUターンしてドライブインを目指す。
これが朝練のコースである。
M900のトルクとパワーがあれば、ターンパイクの上りに関しては何の問題もない。高速コーナーでは
100km+αの速度をキープすることも可能だ。まず大観山まで走ってみると2番目のコーナーが手強い
ことが分かった。理由は最初の右コーナーが苦手だから。下りはさらに苦手なので二重苦である。
グローブを脱いでリアタイヤに手を当ててみるとかなり暖かくなっている。これならグリップは完璧だ。
空気圧も昨日、チェックしてエアを入れてある。後は走るだけだ。
ノーマルマフラーのささやくような音と乾式クラッチから出るにぎやかな音を聞きながらスタートする。
最初の左コーナーに差し掛かる。クリッピングポイントを定め軽くリアブレーキをサスが沈むのを
感じながら、フロントブレーキを2本指でスッと引き絞る。ブレンボのキャリパーが瞬時に反応し、
ニーグリップをしていないとシートからずり落ちそうになるほど減速する。
それに耐えながら、わずかに腰を左にずらす。
フロントブレーキをリリースした瞬間、魔法のようにバイクの方向が変わっている。
後は素早くアクセルを開けるだけだ。インジェクション仕様のM900なら、何も考えずに
アクセルをワイドオープンしても、Lツインは咳き込みもせず、回転を上げてくれる。
これがドカの走りなのか。日本刀のようなスパッとした切れ味。インラインフォーがパワーと引き替えに
フレームの下に抱え込んだ重く幅広いエンジンでは実現できない軽快感。
モンスターはデザインを楽しむネイキッドモデルに見えるが、そんことはない。
怒濤の中低速トルクを持ったスパルタンなバイクなのだ。6000rpm以上回せないコーナーなら
996よりも速く走ることもできる。もちろん峠で国産のビックマシンとも互角に戦える。
アップハンドルの楽なポジションは、都内の渋滞にもへこたれないが、やはりM900の真価は
峠かサーキットにおいてこそ発揮されることを実感した。
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