ドカに乗る理由は人さまざまである。
そこで自分の場合に絞って考えてみた。まずドカに限定するのは難しいので、なぜバイクに乗るのか?
「バイクが好きだら」これは当たり障りのない回答である。好き嫌いに理由は存在しない。
そこをあえて突っ込んでみると「バイクに乗ると気持ちがいいから」という理由があった。
では、なぜ気持ちがいいのか。
脳のA10神経系に快感物質が分泌され、それを受けたレセプターが脳に信号を送るから。
じゃあ、直接、脳に快感物質を送り込んだら、理由もなく気持ち良くなるのだろうか。
その回答が麻薬である。一般的には脳にあるフィルターでカットされてしまう
快感物質ドーパミンに似た構成の化学物質を脳に直接送り込むと
やっぱり気持ちいい!(らしい)
しかし、食欲や性欲と違って人間の基本的な欲求とは無関係なバイクに乗ることで
なぜドーパミンが脳内に放出されるのだろうか。
ランナーズハイという現象がある。最初はつらいのだが走り続けると、走ることが快感に
変わってくるのだ。だから人はマラソンなんてしんどいことができるのだ。
このようなナチュルラルハイと呼ばれる現象の原因も不明である。
私はバイクに乗ると気持ちいいのは、スピードのせいではないかと思う。
それならスピードが速いと快感なのか。それは違う、いままでもっとも速い乗り物である
ジェット旅客機に乗ったときは時速1000kmを超えたがちっとも気持ちよくなかった。
絶対的な速度ではなく、身体で感じる体感速度が大事なのだ。
では、高速道路を200kmで走り続けると快感だろうか。少なくても私の場合はNOである。
同じ速度が持続するより、加速する方が楽しい。ジェットコースターがゆっくり傾斜を上り、
頂上で止まって一気に加速するのが気持ちいいのだ。
バイクも遅い状態から加速するのが快感である。だから峠でコーナーを走ると気持ちがいいのだ。
この加減速における快感が最も強いのがドカなのだ。
つまり「コーナーを気持ちよく走れるから、私はドカに乗る」ということになる。
実はまだ続きがある。
気持ちよく加減速を繰り返すなら、前述のジェットコースターでもいいわけだ。
スポーツカーでも出来そうだ。それなのになぜバイクなのだろうか。
それはバイクが危険だからである。ジェットコースターと違い自分でコントロールする必要があり、
乗用車と違って身体を保護してくれるものがなく、不安定で簡単に転倒する。
人間は危険を感じると危険回避行動をとるため、交感神経を通じて脳の活動を活性化させる。
このとき、脳内活性物質アドレナリンとノルアドレナリンが分泌される。
これらは怒りのホルモンとも呼ばれ、怒ったときや恐怖を感じたときに分泌され、
●血管を収縮させる
●その結果、血圧が上がる。
●また、脳、心臓、筋肉に血液が集まる。
●エネルギー源のブドウ糖を急増させて全身に活動準備をさせる。
●自律神経を覚醒させる。
この結果、テンションと集中力が高まり、普段以上の力を発揮できるのだ。
気合いが入ったと言い換えてもいい。
そして、無事危機を乗り越えたとき達成感や陶酔にも似た安心感を抱くのだ。これは前述した
ドーパミンによるもので、満足感や幸福感を再び味わいたいがため、人は再び危険に近づくのだ。
つまり、バイクに乗らない人間は「バイクは危ないからやめないさい」としたり顔で言うが、
ライダーは危険だからこそバイクに乗っているということになる。
しかし、世の中には恐いのは絶対ダメという人もいる。恐い話、ホラー映画、お化け屋敷、
ジェットコースター、バンジージャンプなどが苦手な人と好きな人はどこが違うのか。
最新の研究によれば、哺乳類の恐怖心を左右するのは、Fyn遺伝子と呼ばれるもので、
扁桃核や大脳皮質の神経細胞連結部分のシナプスに多く存在し、細胞間の情報伝達に重要な役割を果たす。
この量によって恐いのダメな人と好きな人に別れのだ。
Fyn遺伝子は好奇心を生む原因でもあり、人間だけがもっていた旺盛な好奇心が人類をここまで進化させた
とも言える。つまりドカが好きな人間は人類の未来を築き上げるフロンティアスピリットを持った重要で優秀な
人達の集まりなので、もっと世間や家族はあたたかい目で見守って欲しいのである。
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