翼あるもの

バイクは不安定な乗り物だ
ライダーなら必ず経験する転倒から学ぶこと。

バイクは四輪に比べて危険だ、事故をおこした場合は無傷ではいられない。
ほとんどのバイクに乗らない人はそう考えているに違いない。

それについて反論はない。確かにバイクは危険なのだ。
誰もが立ちゴケを含めて転倒を経験していはずだし、トレールバイクに乗って林道を走れば
転倒は日常茶飯事である。モトクロスごっこをしてもコケるし、サーキットでもコケる。

それに備えて我々はプロテクションをする。ヘルメット、ブーツ、グローブ、革ツナギ、脊椎パッド…。
実際に転倒した時、まず何を感じるだろうか。

ああ、やっちまった!

バイクは大丈夫かなあ、とにかく起こさなきゃ。エンジンを切って、
とにかく、バイクは歩道に避難させてスタンドかけたぞ。

ありゃ〜、タンクやられたよ〜、まずいなあ〜。
みんな見てるよ、恥ずかしいなあ。

イテ〜なあ〜、それにしても。腰と肩と肘が痛い、病院行ったほうがいいかなあ。
まずバイク屋に電話してマシン持っていかなきゃ、自走できるかなあ。

まあ私の場合は、こんな感じだった。
それから痛みがなくなるころには、バイク仲間と話すときのネタになっている。
あの時、かなりやばかったよ、後ろからトラックが来てたら轢かれたね、とか。

これでおしまいなのだが、身体と頭は転倒によって死を身近に感じたはずだ。
日常生活から隠蔽され、親戚の葬式でもない限り、我々は日本で死を目にすることはない。
ゲームの世界では主人公は何度も蘇り、セーブされた時点からゲームを再開できる。

現実の世界でもミサイルにCCDカメラが搭載され、ゲームのように目標を破壊するシーンを
テレビモニターに映し出している。

しかし、ライダーは自分自身で痛みを感じ、恐怖を味わう。これを忘れてはならない。
死は誰にでも平等にいつかは訪れる。我々が生きられる時間は限られているのだ。
バイクに乗っていないときも、この貴重な時間を無駄にせず、楽しみたいものだ。