カーボンファイバーの奢り

どうせならヘルメットもカーボンに
限りなく続く新素材への欲望。

石器時代の人類にとって鉄は驚くべきハイテク素材だった。鉄が使われ始められると、青銅が超合金のようにデビューしてきた。そして魔法のように錆びない素材、ステンレス鋼やアルミ合金が生まれた。
さらにマグネシウムやチタニウムといった非鉄金属が生まれ、人類は月に行ったり、飛行機を日常の足に使えるようになった。
そしてついに金属を超える素材すら手に入れた。

それがFRPであり、カーボンである。特にカーボンは軽量でかつ強度を出すことができるため、F1にも積極的に取り入れられている。じゃあヘルメットもカーボンなら軽いのでは?
そんな発想から生まれたのがAXOのフルカーボンヘルメットである。いま使っているAraiのRX-7RR3の重量が実測で1600グラム。これに対してAXOは1400グラムである。

たった200グラムなのか、それともこの200グラムが効くのか。実はまだ使っていないので、わからないのだ。
乗ってから書けよ〜、と思う方もいるだろうが、ドカ修理中のためご勘弁願いたい。
それでカーボンに戻るのだが、そもそもカーボンとは炭素繊維のことで、これだけでは形にならない。
エポキシ樹脂などで、固めて形を作るのだ。例えば、自転車のフレームなどに使われるのがカーボンモノコックフレームである。フレームの形に作った金型にカーボン繊維を入れエポキシ樹脂を使って直接フレームの形を作る。
これならつなぎ目なしのフレームができる。

このヘルメットも同様の製法で作られているため、応力の集中を分散させることができ、強度的に非常に有利になっているものと信じたい。ホームページを見るとセラミックで補強したカーボン繊維を使っておりグラスファイバー繊維よりもかなり強度があると言っている。この惑星でもっとも進んだ技術が使われたヘルメットだとも書いてある。そこまで言われるとちょっと眉唾にも思えるが…。

そう言えば昨年のFIの覇者、ミハエル・シューマッハが長年愛用してきたBELLのヘルメットをやめてドイツのシューベルト社のヘルメットに変更を決めた。同社はドイツの警察の防弾ヘルメットを製作しているメーカーで、素材はカーボンとケブラーを使い重量は1290グラムとかなり軽い。ややっAXOよりも軽いじゃないか。しかも防弾! 
さらに毎秒7リットルの空気がヘルメット内に流れ込み、空気清浄機能まで付いているらしい。

ところが驚くべき事に、このシューベルト社はドイツ航空宇宙センター(DLR)と共同開発した自然繊維を使ったバイオヘルメットを開発中なのだ。DLRではカーボンより10パーセント軽く、20パーセント強度の高いヘルメットの開発に成功している。来年はシューマッハにバイオヘルメットを被らせるべく鋭意研究中とのことだ。もし完成すれば重さは1100グラム台をマークする。これは確かに軽い!
ということで、ヘルメットも日々進化を続けていたのだ。