独自のモデファイでドカの官能を200%引き出す

すべての夢がかなう桃源郷

 そこにゆけば〜、どんな夢もかなうと言われた、ガンダーラー、ガンダーラー。

というわけで品川区高輪にある『パワーハウス』にやってまいりました。『パワーハウス』と言えば中野鉄雄氏の独自の哲学からカスタマイズされるストイックなまでに走りを追求しながら、牝豹のようにセクシーなマシンで有名なドカの老舗である。 ここでドカを購入して500km走ったオーナーが「ステップの位置が合わないので調整したい」と言ったところ、
「あと5000km走ったてから、もう一度来て欲しい。いつも走るツーリングコースを何度も走って身体のどの部分が、どんなふうに痛くなるか教えてくれれば、あなたにピッタリのポジションにカスタマイズします」と中野氏は答えたという。

中野氏のポリシーは、まずドカのオーナー自身が学ばなければカスタマイズはできない。オーリンズのサスペンションを入れる前にノーマルのサスがどんなふうに動き、それをどこまで使い切っているのかが理解できなければ、いたずらにパーツを交換してもその効果を引き出すことはできない。走りに対しては徹底的にストイック、ドカを売るだけではなく、その魅力をオーナーに分からせたいという意志が伝わってくる。そういう意味ではビギナーにとって『パワーハウス』は敷居が高いように感じるが、ドカの良さを親身になって教えてくれる店なのだ。

これが普通の販売店なら「テルミのフルエキですね、すぐに入荷できますよ。ステップはアエラ。ホイールはマルケジーニがお勧めですよ。サスはやっぱりオーリンズがいい仕事をしてくれますよ」という具合にどんどんカスタマイズしてくれるだろう。しかしパワーハウスでは「一度にドカッと改造すると飽きるのも早いから、ぼちぼちやった方がいいよ」とか「このサスはノーマルでも最初は結構いけるよ。でも調整機能が壊れやすいから、壊れたら修理しないでオーリンズに交換すればいんだよ」などなかなかイエスと言わないお店なのだ。我々の懐具合まで心配してくれ、年間総額カスタマイズ予算を組んでいるらしい。

その証拠にドカを購入すると年収や家族構成まで記入欄のある詳細なアンケート用紙に記入を求められる。店内から店先までドカで埋め尽くされ、そのすべてがノーマルではない。ドカ好きにとっては桃源郷のような店だ。そしてオーナーが納得がいくまで何度でもカスタマイズを繰り返し、必要ならばワンオフでパーツを作るというこだわり。自分の理想のドカがある人も、自分にはどんなドカが向くのか悩んでいる人も、一度は『パワーハウス』を訪れてみてはいかがだろう。