二輪魂

遙かなる高みを目指し、もがき苦しみながら
Monsterを走らせ続ける男の挽歌

第二十一輪 pointo 0

□コメント
なぜ事故るか?運命を回避する重要な話。Ferrari一押しの1本。
復帰1発目はキメてやろうと思った1本
日頃頭で思っていたことを良く書けたと思う渾身作。
以外と反響もあり、嬉しかった1本

「その日事故るかどうかは実はエンジンをかけた瞬間に決まってる」と言う事をご存じだろうか?
読者がより長く安全に二輪を楽しむための布石になれば幸いである。


□本文
事故の経験がある人なら今から書くことに頷(うなず)いていただけると思う。
事故を経験してない人はちょっと首を傾(かし)げるかもしれない。
例えば。。。ま、私の例で言えばある日steveに行く途中、片側2車線の国道をキープレフトで走行中、前方20mぐらいのセンターライン側の車線にいたバンがウインカーも付けずに急に左折して道路沿いの本屋の駐車場にクイックターンしやがった。
時速40km程度だったがこのままではバンの横腹にTボーンクラッシュは避けられない。私はフルブレーキングしながらクラクションを鳴らし衝突角度を浅くしようと左路肩目指してMonsterを流した。
バンは途中で私に気づいてブレーキングしながら私を避けようと右にハンドルを切る。2台がぶつかる寸前では2台とも時速20km以下まで落ちていたが衝突は免(まぬが)れず、バンの左サイドに約30度の角度で衝突。その衝突する瞬間、私は右手が潰れるのが怖くてハンドルから右手を離し、かつ体が前方に飛ばないように拳(こぶし)を握り右肘から拳にかけてエルボーをかますようにバンの左窓ガラスをダンッ!とたたき付けた。
反動でMonsterは左にやや流れ(まるでガードレールキックターンのエルボー版だ(^^;)、転倒することもなく本屋駐車場へノロノロと停まった。
バンのドライバーは少し青い顔をして自分がウィンカーを付けずに急ハンドルを切ったことを明らかに「しまった」と思っているようで幸い私も右腕は痛いがたいした様ではないのでとりあえず警察も呼ばず、連絡先を交換してその場を終えた。(注:事故った時の連絡先交換は名刺などで行わず、免許証や車検証の住所と同じ事を確認すること。また、ナンバーを控えておくことも大事。名刺なんて信用できないよ。ましてメモ用紙に書いただけの連絡先なんてね)

この事故のあとがどうなったかは本題でないから割愛するが、このような普通の事故でそれが何故起こったか?またはどうすれば避けられたのか?はたまた何対何でどちらが悪いのか?などといといろと盛りだくさんの展開ができるが、今回の話で言いたいのは「どうして急ハンドル切るような車の後ろを私が『たまたま』走っていなければならなかったんだろう?」という事だ。

この日の事故の事故現場は自宅から約100km、時間にして2時間程度。steve(久留米時代のsteve)に着く目前であった。
その道のり100kmのうち、何度信号を渡っただろうか?その内のどれか1つの信号が赤か青ならこの事故は起きなかったのである。そう、

「事故が発生するそのピンポイントの場所に10秒、いや5秒ずれて通過しておけば事故らなかった」のである。

つまり、自宅でDucatiのエンジンをかけた瞬間どころか、その日の朝、何時何分何秒に目が覚めたか?
その時点で「今日は事故る日」になってしまっていたのである。
(え?結果論だって?ふん、ま、黙って読めや、その結果論をどう解釈するかが鍵なんだ)

事故が起きた時を思い出してみればいい。「あの時あの車が」とか「朝、セルが1発でかかっていれば」といくらでも回避できたはずなのに、その日、その時の走りは全ての事象が事故ピンポイント現場(point0)に向かっていて、あなたは一心不乱に全力でそこを目指して走っていたんです。
1時間も2時間も、ドンピシャのタイミングを目指して。

これを運命悪戯(いたずら)と言うか不運とかアンラッキーだけで片づけてしまうのは非常に安直である。
「絶対に避けられない事故だった」と言えるライダーなんて1人もいないのだよ。
たとえば峠を走っていたら対向車線からいねむり運転の車がオーバーランして事故った。そんな場合でも避けられなかったとは言えない。

もちろんこの場合は法律的(責任的)には10:0で車が悪いでしょう。(10:0は滅多にないけど)
でもね、その事故で一生車椅子生活をすることになった時、あなたは
「うん(^^)、馬鹿な車がいてねー、寝てるんだよ!まいったよ〜(^^;」と笑顔でいられますか?
「金も保証もいらんから僕の足を返してくれ!」と懇願するはずです。
もうその時点では「相手(車)が悪かったから」や「運がなかった」だけの問題ではなく、「事故さえ起き
なければ・・」との思いを抱くはずである。一生。

そう、どんな事故でも避けられたのです。それは、もしその日、エンジンをかけてpoint0までの間で

・あの法定速度40kmのところを1km/hも速度違反せずに走っていれば。。。
・あの信号でトラックの横をすり抜けなかったら。。。
・あの黄色信号で停まっていれば。。。
・あの信号の無い交差点でもっとゆっくり通過していれば。。。
・あの交差点の右折で無理せずもう1台車をやりすごしてから曲がっていれば。。。
そんな1つ1つの行動の1秒、3秒、5秒、10秒が重なってpoint0への1本道を走っていたわけである。

ここまで書くと「じゃ、なにかい?法定規則をきっちり守って教習所走りをしていれば事故に遭う事はないって言うのか?」と言う輩もいるだろうが、そんな頭の悪い読者はいないだろう。
(法定規則を「守らない」方が安全な場面はたくさんある。ま、この話はまた別の機会に話そう)

私が言いたいのはこういう事だ。
「もし、黄色信号で交差点を走り抜けた時はその日は自宅に帰るまでずっとその事を『後悔』しながら走れ」と言う戒(いまし)めを持て。と言う事なのである。
後悔でも懺悔(ざんげ)でも背徳でもなんでもいい。
とにかく気持ち的に「今俺はポイント0へ向かっている(かもしれない)」と言う恐怖心を持つ事だ。
そうすればその後の走りが変わる。
いつもより何倍も神経を集中させ、車の挙動、気配に気を配る走りに変わる。

「運命を変えることが出来る」

もちろん制限時速40kmのところを40km/hで走れとは言わない。ま、60km/hで走るのは普通だが(言っちゃいけないが(^^;)、もしそこを普段よりスピードを出して100km/hで走った時。その後に「もしかして事故が俺を呼んでいる(待っている)」と思えばいい。
くどいようだが100km/hで走ってる最中のことでは無い。そこから50km先、100km先に事故が待ってるんだと。

どんな事故でも後悔するのはあなたなのです。相手が居眠り運転でも。

少し無理して走った時、少し強引な走りをした時、今回のコラムを思い出して頂ければ幸いである。

/===95'M900BlackFerrariDESUMO DUE2001.09.2025160km& LEGACY B4(BE5C) 1400km===/

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