第三十三輪 老兵の敵
□コメント
この話は・・・・どうだろう?若い人は何も感じないかも知れない。
でもきっと40代ライダーなら「うんうん」と同情してもらえるかも知れない。そんなちょっと寂しい話です。
□本文
カスタムにいくらぐらいの金をかけるか?このような出だしで書くとついつい「それは個人の金銭的都合
もあるが」と続きそうだが今回は違う。
金のあるなしに関係なくもう1つ重要な天秤が存在する。それは「俺はいつまでこの二輪に乗るつもりだ
?」と言う問題だ。
しかもそれは「新車に乗り換える」とか「飽きた」などいう問題でもなく、悲しい現実かな
「俺はいつまで 『乗れる』 のだろうか?」 と言う問題である。
まだまだ40代なのにそんな事を・・・・とか、「私の知り合いは今年で67歳になるけど現役バリバリのラ
イダーですよ、なんせSUZUKAで・・」と言う方もおられるでしょう。でもそれはその人が元気なだけであっ
て私にはなんら参考にも励みにもならない。
さすがに老兵というにはまだ早いとは思っているが、実は女房にもまだ言ってないが事がある。それは
私は3年前ぐらいから右膝(ひざ)に欠陥・・・というか支障?が出てきた。
そのせいで私の連続二輪運転可能時間は悲しいかな2時間が目安。と言うか限界。自宅→旧steveの
片道100kmの2時間は丁度よい目安であった。で、2時間を過ぎると右膝に針を刺したようにキリキリと
痛みが走る。1時間後に痛み出すこともある。そこでライディング中に右足を伸ばしたり縮めたりしたりて
痛みをごまかして走ってる。
だから実は今白状するが去年のFISCO→広島への帰り道は右膝との戦いだった。
1999年の富士→能登半島→九州の時はここまでひどくなかった。
確実に痛みが強くなってるし痛み出す時間(間隔)も早くなっている。
バイクに乗ってる時だけの負担かと思っていたがここ1年では仕事中でもキリ!っと痛みが走ることが
ある。その度に不安が募(つの)る。鈍痛ではなく鋭利な痛みだ。その度にドキっとする。
『俺はいつまでバイクに乗れるのだろうか?』 と。
もともとスポーツおんちだし運動嫌いのせいもあるが体力的にはかなり貧弱である。でも二輪の運転は
動体視力や反射神経があればそれなりに運転できる。しかしこれが「体力の衰え」なんだろうか?と頭
の中の暗雲がぬぐえない。
きつい、きつい、なら忍耐で走れる。体力がないから俺は忍耐で走って来た。しかし「痛い、痛い」はどう
しようもない。耐えられないから休憩する。少し屈伸運動したり安静にしてると痛みはひきまた走る。
バックステップをノーマルに戻せば痛みもかなり軽減するかもしれない。けど今のステップは好きだしム
スタングタンクとのポジションも良い。もちろんセパハンとのマッチングも良い。
ノーマルステップに戻すのは「もう膝が限界で乗ってられない」と思うときまで譲りたくない。
そう、自分の気持ちを。自分の選んだスタイルを。
親父の話をする。
親父は第4回MonsterMeetingの2ヶ月前ぐらいに他界した。
他界するまで1年以上の病棟生活を送っていた。病名は膠原病(こうげんびょう)。聞きなれない言葉だろ
うがネットで「膠原病」を検索してみるといい。ま、老人として体のあちこち、肺やそして骨までもグズグズ
に弱っていく病気だ。
入院する前から言っていた「膝が痛い、手首が痛い」と。リウマチから始まったその病気は完治するどころ
かどんどんと侵食していった。死ぬまで「腰が痛い、膝が痛い」と泣いていた。単身赴任していたので死に
目には会えなかったが・・・・
俺の膝の痛み・・・・・遺伝だろうか?まだ40だぜ?親父のリウマチは60過ぎてだろう?親父も40の時
にこのくらいの小さな痛みはあったんだろうか?その答えは聞いていないしもう確かめる術は無い。
※
カスタムにいくら金をかけるか? に話を戻す。
膝の痛みとカスタムする限度の関係がピンと来てる読者もいるだろう。
何度か話題にしたことがあるが私のMosnterへのカスタム予算は年間20万を目安にしている。それが私
の秩序でもあった。毎年毎年「今年の20万は何しようか?、来年の20万は何に使おうか?」を考えるの
も楽しい。しかし31輪で書いたが2002年の予算はいっきに「50万」と決めた。それは「焦り」があったか
らだ。
極端に言い方をすれば明日風呂場ですべってこけて頭打って死ぬかもしれない。そう考えると使える金が
あるときに使った方がいい。よく言う話だが天国(地獄?)に金は持っていけない。
100万を毎年毎年20万使っていけば5年楽しめるしイザという臨時出費にも耐えられる。しかし五年後に
私が元気で二輪に乗ってられるかどうかに不安がある今、私は予算を50万に引き上げた。元気なうちに
楽しめた方がいい。今やらないでどうする?・・・と。
そうは思っても60万以上となって躊躇した。金額の問題、いや、勇気?が無い。そして思った。もし、もし
仮に「余命1年」と言われたとき、限りある金額で何がしたいか?と問われた時、「あっと驚くカッコイイバ
イクに乗りたい」よりも 『もう1度北海道に行きたい』 と思う自分に気づいた。
もう少しだけ、国道を楽しむ道を選択した。
読者の中には「体力的、肉体的不安があるのなら鍛えればいい」と言う方もおられるだろう。確かに一理
ある。しかし毎朝か帰宅後にジョギングでもすれば?は却下である。なぜかと言うと「乗ることに努力する」
「頑張る」時点で俺はたぶん二輪を降りる道を選ぶ。その理由は30話の「精神重量」と同じだ。
二輪に乗るための努力を「ツライ」と思うならそれは二輪を楽しんでいるんじゃなくて二輪に縛られてること
になるからだ。簡単に言うと私は毎朝のジョギングとかツライ以外何ものでもない。
単なるなまけものである。
それを「逃げてる」と表現する人もいるかも知れない。ほんとに乗りたいなら努力しようよ。と励ます人もいる
かも知れない。でもそれは違う。「引き際(ひきぎわ)」なんだ。二輪しか能がないと思ってる人なら努力する
べきだろう。でも俺の人生はまだまだいっぱい手を出したいこともある。もちろん二輪は好きだが二輪だけの
ために生きて、二輪だけで終わる人生は自分の中で納得がいかない。それが俺のライン。
※
国道魂。
私は思ってる。今は強く思ってる。
507本を己1人で制覇したい。 と。
膝の痛みを超えて「私の二輪最後の夢」として実現したい。制覇したい。
国道魂の制覇状況の青丸印はそのためだ。
シングルシート&1本出しを却下しcityのバックを選んだ。
そのバックの中には「507/507」への切符が入っている。
/=== 95'M900BlackFerrariDESUMO DUE 2002.03.21 27000km & LEGACY B4(BE5C) 3936km ===/
[EOF]