二輪魂

遙かなる高みを目指し、もがき苦しみながら
Monsterを走らせ続ける男の挽歌

第三十八輪 四輪魂

□コメント
ひさしぶりだぁ!二輪魂!お・ま・た・せ(^^)/ (え?忘れてた?(^^;)
 でも、まぁ・・・1ヶ月以上二輪魂が空くなんて今までなかった。
 「書こう書こう」と思ってもそれにはやっぱ抵抗を感じる。「書きたいから書く」でないと
 テキストに魂は込められない。そう思って書きたいと思うまでほったらかしていた。
 しかしとある土曜日、steveにB4(車)で行く途中。ちょっと思ったことがあった。
 「四輪魂」とは二輪魂の原稿にしてはふざけたタイトルだが「器(うつわ)」ってタイトル
 とどっちにしょうか悩んだ末、前者の方が笑えるから前者を選んだ。ま、内容は爽やかな話
 でもないし、気に障る人もいるかも知れないなぁっちゅーのが少々気になるが二輪魂ではあ
 まり(他人に)気を使わないスタンスなんで思った通り思った事を書くわ。
 ※注意:本編には5月15日発売ヤングマガジンの「湾岸ミッドナイト」のネタバレが含ま
 れてます。単行本のみで「湾岸」を楽しんでる人は本編を読まない方がいいです。
 ネタバレは「FCがどうなったか?」に関係します。
 

・  ネ
・  タ
・  バ
・  レ
・  改
・  行
・  
・  わ
・  ざ
・  と
・  行
・  間
・  を
・  作
・  り
・  ネタバレ注意をうながす1つの手法です。 

□本文

 でもこの日は「車」に乗りたかった。少しでも早く高速に乗り、B4のアクセルを踏みたかった。
 それは平日に仕事でレンタカーをよく使うその「反動」でもあった。レンタカーに乗ってるといつも
 B4が恋しくなるのだ。週末に帰宅し駅に迎えに来てるB4に乗るだけで「うーん!こいつはイイ!」
 とステアリングを握る手にアドレナリンが走る。

 しかもFerrari号が無い今、「走る」「走りたい」本能は車にぶつけるしかなかった。だからさっさ
 と高速に乗りたかった。CDはお気に入りのシングルCDを1枚にまとめた特別編集版。(著作権付
 きCDに焼いてるので違法ではないよ。)それをKENWOODのコンポに入れる。1曲目は「ミンナノキ
 モチ」(BoA)である。これは私の好きな曲ってことではないのだが新コピーガード方式のCDだっ
 たのでCD−Rで焼けるかどうか試したくて借りた。(後で女房が「犬夜叉」のエンディングテーマ
 ってことを教えてくれた)
 綺麗なボーカルの歌声とポップで優しい音楽を聴きながらオートマッチクのギアをD(ドライブ)で
 はなく「3」にしてアクセルを踏む。交差点でもそうそう減速せずにダッシュボードにちょこんと乗
 せてる手のひら程度の大きさの「アッザム」のフィギアが転がらない程度にクイックで曲がる。(ア
 ッザムは四本足なのでそうそう転がりはしないが(^^;)高速に乗るまでの道は田舎道だし、蛇行も多
 く、ステリングを切るたびにビルシュタインのサスの踏ん張りが明らかに「レンタカー」のそれと違
 うことが嬉しくて堪らない。 

 高速に乗った。

 曲も変わった。「ワダツミの木」(元ちとせ)である。エンヤが流行する前からエンヤのCDをかき
 集めてた私は彼女にも目をつけた。たしかに延髄に鳥肌が立つような歌声だ。コンポのボリュームを
 回す。液晶の音量メーターが「20」を示す。普段は「10」ぐらいだ。「20」と言うと助手席の
 人間が大声でしゃべらないと何言ってるか聞こえない程のかなりの音量である。ねずみ取りレーダー
 の警告音なんて全く聞こえないし、もし後ろでクラクションを鳴らされても聞こえないだろう。音量
 もさることながら密閉した空間に配置された6個のスピーカーはそんじょそこらのリビング用ミニコ
 ンポより音質もいい。ま、しいて言えば元ちとせの歌声は可聴周波数の外側にこそ、その真髄がある
 わけでどんなコンポで聞こうがライヴの歌声にはかなわんだろうなぁ。なんて贅沢を思う。しかし晴
 れた青空に元ちとせはよく似合った。演出を狙ったのかご丁寧にも空を切り裂くように1本の真一文
 字の飛行機雲まで出てやがる。・・・・・・・・・・・・ボリュームを「22」まで上げた。 

ロックの大音量で熱くなる歳は終わった。私は元ちとせでトリップする。電動シートを右手で操作し
 5cmほど前にスライドさせ膝に余裕を持たせ、リクライニングを1ポジション前に立たせる。そして
 両手を10時10分の位置にホールド。これでドライビングでの戦闘モード完了だ。

 オートクーラーをOFF。ターボが無いからパワーをエンジンに回す。ドン!、アクセルを踏む。
 水平対抗4気筒が4つのタイヤに「力」を伝え、路面に爪を立てて1.6tの車体を軽々と前へ運ぶ。
 180kmまで刻んであるB4のスピードメーターの上をなんの躊躇もなく針が滑るように動いて4時
 の方向を指す。まぁ、振り切れるまではしないがあっと言う間に170ってところだ。(本来簡易暗
 号表記で書くべきところだがコラムの中で暗号化しても何なのであえてバレ速度で書く。当然馬鹿な
 行為なので自慢でもなんでもない。これで死んだら笑ってくれ)
 しかしB4はすかしてやがる。「は?これでいいですか?ご主人様」ってカンジだ。。。できのいい
 車ってのは(バイクもそうだけど)、高速走行をしていてもいかに「平然」としてるか。だと思う。
 特にドライバーに直接風があたることのない車は100kmで走ろうが200kmで走ろうが、風圧
 でスピードを体感出来ない分、静かに走るB4の中では100も200もなんも変わらない。それが
 「性能」「剛性」と思う。(←つっこむんじゃねぇぞ)

「素晴らしい!実に素晴らしい!時には車も「回して」あげないとねー」と思いながら悦に入ってい
 る時、「湾岸ミッドナイト」の1シーンが頭をよぎった。漫画の世界の話なのに「あぁ、あいつらも
 この感覚が好きなんだ」と思った。高速走行っちゅーやつはどうも普段使わない脳細胞を刺激するよ
 うだ。。。。そして更に「湾岸」の1シーンを思い出した。「完璧なFC」を「降りる」ことを決意
 したあの人のことを。

 頭文字Dがガキの車漫画としたら湾岸は「オトナの漫画」だと思う。雰囲気暗いし、重いし、あまり
 好きな漫画ではなく私は頭文字派だった、でもあの「FCを降りる」シーンにはなぜか感銘した。
 「私はこの車に選ばれた人間じゃない」と言うセリフがなぜか心に残った。
 300kmを「出せる」車で「出せなかった」自分の力量、「器」を感じての事実上の「引退」。
 すごく「潔(いさぎよ)い」奴だと思った。

 高速走行のまま10分ほど走り、また曲が変わった。「ピクミンの愛のテーマ」である。(笑)
 いきなりテンションが下がりトリップから現実に戻る。自然とアクセルが緩む。。。音量を「10」
 に戻したら対抗車線のオービスを拾ってレーダーから「注意してください。注意してください」と
 のアナウンスが聞こえた。またそれで現実に戻りアクセルに力をかけずに緩やかに走行車線にもど
 る。シートを5cmさげ、リクライングを1つ倒し、左手をアームレストに乗せて私の戦闘モードは
 解除された。

 高速を降りると曲はウタダのディスタンス(シングルバージョン)へと変わる。
 渋滞でのいらいらもなくギアはDにしてsteveまでのつまらない下道を流す。パワーウィンドウを1cm
 ほど開けてタバコをふかし、缶コーヒーを舐めながらくつろぐ。当然エアコンもONだ。飛行機雲は
 タヌキの尻尾のように太くぼやけてしまっていた。それでもとても気持ちよかった。
 が、ある信号にて黄色で突っ込んだ私は少々焦った。左から「青待ち」のヤンキー車が待ちきれなか
 ったのか交差点にでてきやがった。ちぃ!と思いつつとっさにB4を反対車線に振り、ヤンキーをか
 わすと一瞬でまたステリングを左に切って左車線に戻った。ヤンキー車は何事もなかったように過ぎ
 去った。

 B4に乗ってまだ1年経ってないがこれほどこの車をクイックに操舵したことはなかった。が、正直
 「焦った」と言う感覚よりも今の自分の操舵に対するB4の反応が嬉しかった。たぶん端から見たら
 B4は「カクッ!カクッ!」と動いたように見えただろう。ビルシュタインと4WDと車体剛性をあ
 らためて体感し、非常に有意義なアクシデントだった。

 steve着。CDも終わり、B4との楽しいひと時は終わった。「四輪魂」を少しだけわかったような
 気がした。

※【二輪魂】第38輪:器

 FCの奴が「降りた」理由。私はそれを単純に「俺はこいつ(チューンドFC)にふさわしくない」
 のだとそいつが思ったんだと解釈した。

 唐突だがM900のパフォーマンスを50としよう。そして仮にだが998のパフォーマンスを100と
 した時、俺の技量は10ぐらいか?つまりM900も当然「自分にとってはオーバースペック」であると
 認識している。
 たとえば俺が国産400ccでサーキットを走ったタイムとM900で走ったタイムを比べれば当然、
 M900で走ったタイムの方が速いだろう。しかし自分の技量なんで1%も上がってやいやしない。
 グフに載ったランバラルが言う「小僧!そのモビルスーツの性能に助けられたな!」と。それと同じ。

 いわんや998に乗れば(少々998に慣れれば)、M900よりも速いタイムを出すことは可能だろう。
 なんせパワーが違いすぎる。もし「マシンに頼らず速くなるには?」にこだわった場合。つまりM900
 のパフォーマンス「50」まで引き出そうとした場合、その代償として必ず「転倒」を体験するだろ
 う。それがサーキットであろうと峠であろうと限界を知るには限界を体で覚えなくては無理だろう。
 それが正直言って「怖い」のだ。

 速さを求めるなら必ず俺はこける。こけ方が悪ければ一生バイクには乗れないだろう。いや、それ
 以前に痛いのがイヤだ。単純に。 

 だから俺はMonsterに、いや、バイクにパワーを求めないしそっち系のカスタムはとんと興味がない。
 なら国産250ccのオフローダーに乗ればいいじゃん。とかの声は当然あるだろう。確かに国道魂を
 原付で507本制覇した方が意味が(価値が)高いかもしれない。けど・・・・

 技量が10でも心量?(←今作った言葉。技量に対して心の量って意味)は50どころか70か、80
 はある。心量と言う言葉を「見栄」とか「憧れ」とか「興味」とか「夢」とかそんな言葉に置き換える
 のいいだろう。しかし心量をもってしても998にはとどかない。つまり今でも998はそんなに魅力
 は感じない。「見栄の張りすぎ」「身のほど知らず」そしてあまりあるパフォーマンスを持つバイクに
 のるのは「恐れ多い」。「器」じゃないってことだ。

 それに人間それぞれ「何が欲しいか?」「何が正しいと思うか?」もっと単純に「何に満足するか?」
 とか「何をかっこいいと思うか?」か違うのだからボアアップしようがハイコンプにしようがそれをと
 やかく言うことは余計なお世話である。
 宝くじにあたってポルシェに乗ろうがFERRARIに乗ろうが本人が「ハイパワーのかっこいい車に乗りた
 い」&「そうしたい」と思うならしかたないことだ。

 しかし、パワーを飾りとしての「アイテム」として欲しがるのはどうだろう?・・・とノリで書いてし
 まうと「ドレスアップがいかに愚行なカスタムか?」と自問自答してしまう。形を変えることが個性な
 んだと思うのも性分なんだから仕方ない(←俺のこと)。だから944にしたい!って思うのも性分な
 んだからいいじゃないか。

 そう、ベクトルが違うんだね。ライダーの。いや、その人間の。

 けど・・・・俺は湾岸のあいつ・・・パワーを求めていたのにFCを降りたあいつになぜか感銘した。
 自分のベクトルの限界を知り「あきらめた」奴なのになぜか胸がジーンっとなった。自分の器を知っ
 た人間の果(は)かなさがあるはずなのに「かっこいい」と思った。なぜだろう?・・・・・・
 「これ以上無理はしない」「これ以上は進まない」そのスタンスが俺の魂に共鳴したのだろうか?
 ・・・・・・・・・・・・・

※ 

 ここ(MM)や濃いショップに出入りしていると「カスタムしなくちゃ、カスタムしなくちゃ」と思う
 ようになってきてる人は多いのではないだろうか?また、雑誌を見れば見るほど自分のノーマルが物足
 りなくなるような感覚・・もしそんな事を思ってる人がいたら焦らずゆっくり金の使い道を考えよう。
 俺みたいに外側(外観)から攻めるもよし、見えないところから攻めるもよし、自分は「何が好きな
 のか?」がわかるまでノーマルで走ってみようよ。

 もしかしたら「カスタムする金があるなら世界を走る資金にするさ!」ってなるかもよ(^^)
 それも「あなたの自由」です。/

=== 95'M900BlackFerrariDESUMO DUE 2002.05.27 28000km? & LEGACY B4(BE5C) 5400km? ===/
 あとがき:思った以上に長くなった。その理由は途中から何が言いたいかわかんなくなったから(爆)
 あー、そうそう、これ書くの忘れた。
 「結局二輪魂シリーズは俺がバイクに乗ってねぇから「湧かない」んだと思ったよ。第一部では20年
 走った「蓄積」でどんどん書けたけどさ、一旦出し尽くして?しまうと俺自身が走らない限り次の二輪
 魂は書けないね。それがたまたまB4で高速走行したことにより「走ってる」刺激で脳が二輪魂モード
 にスイッチシングしたに違いない。だって前回の話も美祢行ったときの話だもねんね。あれから全然走
 ないし(^^; ってことでこれからは俺自身が走らないと二輪魂は生まれないかも>ALL」
 と思った次第です。こりゃマジで「めざせ507本!」だね(^^;
 では(^^)/
 [END OF File]

5月のとある土曜日。すこぶる天気の良い五月晴れ。私はsteveで眠ってるFerrari号に会うために
 スバルレガシィB4(RStype-B:BE5C:2000NA:AT)で家を出た。いつもは下道を30分ほど南下
 したところのインターから乗るのだが、この日は自宅から一番近いインターを目指して10分ほど北
 上する。こっちのインターの方が自宅に近いのは重々承知だがsteveからは遠くなるので1区間余計
 に高速料金を取られるのがイタイ。