二輪魂

遙かなる高みを目指し、もがき苦しみながら
Monsterを走らせ続ける男の挽歌

【1日目】7月22日 野営、謎の発光体に硬直(1)(2)

□コメント
タコ公園野宿

□本文

  【1日目】7月22日 野営、謎の発光体に硬直(1)

 笑ってしまうような話だが行く前は「(往復で)3000kmぐらいかな?」と思っていた。
 全工程で何kmになるかなんて足し算もしてなかった。
 行って、廻って、帰ってくる、計算しようがしまいがそれは変わらないんだから気にしてなかっ
 たんだが正直行く前に「約5000km」と知っていたらうんざりしていたと思う(笑)。

 天気快晴。朝10時に出発。俺としては早い出発だ。
 女房は仕事で不在である。見送るために仕事を休もうか?と言われたが私としてはむしろいない
 方が気が楽だったのであっさり断った。想像しただけでつらい。
 長い旅に1人で出る、それもちょっと無謀と思える旅、その出発の後姿を見守る妻、募る不安、
 ついつい「それが夫を見た最後だった」なーんて話になっちゃいそうでさ。余計な緊張になる。
 
 前夜、女房に言った。自分に言い聞かせるように。
 「普通に帰ってくる、いつも通りに『あー、疲れた』と言って普通に帰ってくるのよ、
  (そう、そしてなんでも無い日常がまた始まる・・・)」

 出発前のオドメーターのキロ数を写真に撮る。デジカメには秒単位で撮影時間も記録されるので
 撮っておけばメモと取らずに何km走ったっけ?とか、何時ごろ出発したんだっけ?とか、後でツ
 ーレポを書くときに非常に便利である。(と、言いつつ実はメーターは数枚しか撮ってない(^^;)

 空気圧とオイルのチェックをして車庫から槍号を路上にだす。いったんバックで道路に出したあと、
 坂になってる道路を2mぐらい押して路肩に寄せるのがいつもの手順なのだがバックはいいとして
 その数mを押すところで「ウソぉ?」って思うぐらい重い。装備総重量で+50kgはあるんじゃない
 だろうか?乾燥重量185kgの軽量のドカティがこんなに重いなんて・・・
 事前シミュレーションでフル装備走行試験は行っていたのだが・・・ちょっとビビル。

 エンジンは1発で始動、まずは2kmほど離れた近所のGS(ガソリンスタンド)で満タンに。
 満タンにしてからやっと「さぁ!始まった!行こうかー!」とテンションが上がってきた。

 実は私は長いツーリングの時はその前夜は気が重いのだ、出発日に革ジャンを着る時はもっと憂鬱
 になる。「やっぱ行くのやめようかな・・・」といつも思う。冷房の効いた家でゴロゴロしてDVD
 見たりTVゲームしたりしてた方がよほど楽で「安全」なんだ。金も使わないし(笑)。
 しかし一旦バイクに乗ればそんな気持ちだったことも忘れてしまう。

 九州の背骨、3号線に乗る。 

 家を出た時のオドメーターは33777kmだった。777だ。
 パチンコは昔してたことがあるが「777」でニヤリと思わない日本人は少ないだろう。
 「しゃれた演出してくれるじゃん♪」と槍号に声をかける。

 門司までのつまらない国道を走る、と言うかこれからずっとずっとこんな車の雑踏の中を走るわ
 けだが日本海を見るまでは覚悟を決めていたしそうつらくも無い、むしろスタート初日に何かあ
 る事は珍しい話でないので慎重に、おとなしく、時々積載の状態を確認しながら運転する。

 門司(九州)から下関(本州)に渡るのは高速道路の関門橋(1973年完成。当時東洋一の橋長
 1068.0m)を渡るか関門トンネル(1958年完成。3,461m。(青函トンネルは53.85km、
 英仏海峡トンネルは50.5km)) を使うしかない。

 今年4月に三瓶(さんべ:島根県)のミィーティングに行く時は下道縦断ツーのシミュレーショ
 ンも兼ねていたので初めて槍号で関門トンネルを使用した。このトンネルの嬉しいところは二輪
 は通行料がたった100円なのである。ちなみに原付だったら20円!トンネル内を歩いて渡る
 なら無料!(ただし原付は車道トンネルでは無く、人道をたしか「押して」行かないといけなか
 った記憶あり)。方側一車線で対面交通の窮屈なトンネルだが100円で海を渡れるのは嬉しい。

 実は三瓶に行く時にここでちょっとしたイベントがあった。
 ご存知の通り、私のバイクには車載カメラを搭載しており、自動シャッターによりn分間隔で走
 行中の画像を撮ることができる。(詳細はMMPC、インターバル撮影技法 参照)
 関門トンネル内の写真も面白いだろーなー、なんて思いつつ進入したわけだがなんと暗いトンネ
 ル内でデジカメのフラッシュが「ピカ!」と発光してしまったのだ。
 関門トンネルは利用する車も多く、その時も渋滞していたので前を走ってる車はさぞかし「ん?」
 と思っただろう。対向車も驚くはずだ。慌てて(走りながら左手で)強制電源オフをして事なき
 を得たがかなりびっくりした。当然その時の写真は前方の車にフラッシュが反射して真っ白で何
 も写ってなかった。
 普段、走行中撮影時にはフラッシュ発光禁止モードにしているのだがその時はたまたまそのモー
 ドになってなかったのだ。

 その時のシミュレーションの教訓を得て今回はトンネルに入る前に今一度「フラッシュ禁止」に
 なってるかどうか確認をした。暑く、排気ガスで煙いトンネルの抜けてすぐに画像を確認したが
 今回はばっちり関門トンネル内の撮影に成功していた(AM11:22)

 さて本州に上陸してから日本海、と言うか鳥取方面を目指す最短ルートはどれだろう?と旅の前
 にInternetで調査していた。mapfan.comは最近になって任意のA点〜B点のナビルートを検索
 してくれるサービス(無料)を開始していたのでそれによると2号線→9号線がはやり一番距離
 が短いとのことだった。1桁国道はトラック国道であり主要都市間を結ぶ国道なので交通量も多
 く全く面白みもないのだがここは我慢、我慢、迷わないためにも楽ですなおなそのルートを選択。

 12:00 ファミレスで食事、最初のGPS位置情報を報告
 今思い出してもタルタルソースのイベントが笑える(詳細はリアルタイムレポ参照)。
 タルタルソースが底をつきかけてるとか2日前に気づけよ!
 エビフライになにもかけなくていい?おいしくないだろー?
 何故そこまでしてエビフライにこだわるのかな?俺なら別の物頼むけどなぁ(苦笑)

 11:56〜13:15までファミレスに居た。
 なぜここまで詳細にわかるかと言うとインターバル撮影のおかげです。流し撮りで5分間隔で撮っ
 ているのだが、ファミレスに付いたら手動でシャッターを押して電源オフ(電池節約のため)、
 メシ食って出かけるときに電源オン、インターバルセットの1発目でカシャ、だから入り時間と
 再出発時間が刻銘に残る。便利ぃ〜♪
 
 15:00 ひた走り、山口県と島根県の県境、道の駅「願成就温泉」で休憩。
    自分にとっては懐かしい場所だ。おばちゃんとの小イベントあり(詳細はリアルタイムレ
    ポ参照)。
 15:49 出発。
 16:59 約1時間走り、、日本海が見えた。思わず「GOOD♪」と声がでる。
    ちょうど「ゆうひパーク三隅」と言う道の駅(かな?)があったのでそこでまた休憩。水
    分を取ってるせいかトイレが近い。ここでもAirHは繋がらないのか!と残念、ジュース飲
    んで30分休んで17:30 出発。
 18:15 インターバル画像はそこで終わってる。電池切れに気づかなかったせいもあるが18時
    を過ぎて暗くなってくるとシャッター速度が遅くなるのでまともに撮れなくなるからほっ
    たらかしにしておいたのかも知れない。
 19:02 GPS位置連絡 ファミレスで夕食中 20時ごろ出発。


 出雲市、松江市、米子市と結構な渋滞の中を通り抜け、米子市から東30km地点、やっと今日の寝
 床確保 道の駅「ポート赤崎」着。23時ごろだったと思う。もっと早く寝床を確保したかった
 のだが出雲から米子までがどうにもならない。道の駅もないし交通量は多いし、観光地だから何
 故か落ち着かない。

 道の駅の看板を見つけて「やっとあった!ここで寝れる?寝れる?寝れそうな道の駅?」と思い
 ながら駐車場に入る。ここの道の駅は奥行きがなく、国道に沿った長い敷地に作ってある。道の
 駅の建物と国道に挟まれるように駐車場が続く。ちょっと寝場所を探すには不安な構造だが施設
 の建物の中で一箇所だけ煌々と明かりが灯っている。ありがたい、セブンイレブンでもローソン
 でもなかったけどコンビニだ。(注:道の駅にコンビニがあるのは珍しい)
 とりあえずそのコンビニの前にバイクを止め、マグライトを片手に道の駅内を散策する。 

 国道から入って来る時にちらっと見えた施設の裏へ廻ってみた。真っ暗であったもののそこはす
 ぐに公園だとわかった。ジャングルジムみたいなもの、滑り台みたいなもの、シーソーみたいな
 ものが設置してあり、屋根つきのベンチもあるし、噴水式の水飲み場まであった。ひねるとちゃ
 んと水が出た。これが決定打となり「うん、ここだ♪」と本日の寝床決定。野営には「水場」の
 有無は重要な条件の1つだ。バイクまで戻りGPS位置連絡をしたあと20mほどバイクを押して
 その公園に横付けにした。

【1日目】7月22日 野営、謎の発光体に硬直(2)へ続く。

【1日目】7月22日 野営、謎の発光体に硬直(2)

とりあえず着替えたい。重い装備を脱ぎたい。ヘッ電(へっでん=ヘッドランプのこと、登山用
 語(らしい):小型の電灯にゴムの紐が付いてて頭に固定することができる野営アイテム、500円
 〜4000円程度各種、キャンプ用品売り場や釣り具店などで購入可)をフロントサイドバックから
 取りだして装着し、その明かりを元にいそいそとマンダリーナバックから着替えやスリッパなど
 を引っ張り出す。ここで野営ノウハウと言うかパッキング(収納、積載術)について1つ言って
 おこう。

 野営ってのはかなり暗い場所で行う。明るい街灯の下で野営することはあまりない。何故か裏手
 や奥まったところでひっそり行うのが野営である。得てしてそんなところは明るくない。万が一
 携帯電話をコロンと落としたら懐中電灯の類がないとまず発見できない。
 よってそんな場所で野営するには「まず明かり(灯火器)」であり、その灯火器がバックの奥底
 にあったり、バックの中のポーチの中に収納してあったりすると灯火器を(暗いから)見つける
 ことができないであたふたしてしまう。だから灯火器はいつでも一番最初に1アクションで取り
 出せるところにパッキングしておくことがノウハウです。

 私の場合は13日間、ずっと「フロントサイドバックの右側の手前」がヘッ電のポジション。
 日によってポジションを変えることもいけません。マグライトはいつもリアバック中央、そして
 緊急用に長さ4cmほどの小さいLEDライトをウエストバックのチャックにぶら下げてる。
 
 【余談】小型LEDライトについて。これ、バイクを離れている時(ヘッ電をしてない時)に明かり
 が欲しい時や、夜の国道でちょっと地図を見るときに重宝するのですが・・・光源のブルー(青色
 LED)はNGです。理由は地図を見た場合に地図には意外と「青い文字」が使用されており、LEDが
 青だと同色現象?で全く字を判別できません。カメレオンみたいな?。
 特に国道表記は青色なことが多く、「この線は何号線じゃぁ!!」と地図で見えてても数字を読め
 ないことが数回あり、海か陸地かの境目もよくわからない時もあった(海は青色なので)。
 次回のツーリングでは白色LEDに変更しなきゃ、と思いました。(自然光LEDってないのかな?)


 ヘッ電の明かりの中、無事着替えも済み、コンビニまでお買い物。ビールと缶チューハイとつま
 みなどを少々買ってねぐらに戻る。噴水式水道でタオルを濡らし、上半身裸になって体中を拭く、
 長ズボンも脱いで全身も拭く、はぁー、すっきり。人目が気になる?いや、ここは人目が無いか
 ら全然気にならない。うん、人目はない・・・けど。。。

 ・・・タコの目がいっぱいあるんだ・・・ (は?)

 思い出して欲しい。
 「真っ暗であったもののそこはすぐに公園だとわかった。ジャングルジムみたいなもの、滑り台
 みたいなもの、シーソーみたいなものが設置してあり、(以下略)」

 このくだりでなんで「みたいな」と書いてるのか?暗くてよく判断できないからと思いましたか?
 いや、それがちょっと違ってまして。。。。この公園の遊具、何故か知らないけどタコ!タコ!
 たこ!蛸!のオンパレードなんですよ。

 タコのジャングルジム、タコの滑り台、タコのシーソー、タコのライド、タコ一色!正確に言う
 と「タコのジャングルジム」でなく「ジャングルジムみたいなタコ」なんだ。その「ジャングル
 ジムみたいなタコ」とか高さ3mぐらいあるんだ。超巨大蛸。小さいタコはオバケのQ太郎みた
 いなカンジでそこかしこに・・・・

 私、タコ嫌いなんです。 食材としても見た目も、生理的に嫌いなんです。あの軟体動物は。

 これはマジな話だが自分でもわからないトラウマ的症状がある。それは、
 『連続した丸い物を見ると気分が悪くなる』
 ってのがあるんです。例えば積み上げた土管、横から見ると穴がいっぱいあって向こう側が見え
 るでしょ?あれを見てると、どよーん とした気分になってくる。マーブルチョコが机の上で散
 らばってるのはOK、円の色が違っていたり、並びが不規則であればなにも感じない。丸い窓の
 ビル、あれなんかダメだね。「色と大きさが均一で連続した円」を見るとダメなんだ。

 そこでタコ。あの吸盤が私にとっては「連続した円」であり茹でたタコの足など見てるだけで
 気分がナーバスになる。幼少のころ、顔面にタコが張り付いて死にそうになったことでもあるん
 だろうか?一度親に聞いたことがあるのだが答えは聞くに及ばす・・

 寝るところがなくてこの公園に着たのはいいがよりによってタコかよ・・・実はこれがこの公園
 を発見した時の第一印象なんだ。暗闇にそびえる高さ3mの巨大タコ。大きな目の部分は空洞に
 なっていてタコの中に入った子供が抜け出せるようになってる。足もある。左右におおきく張り
 出した足は細い鉄のフレームでできており、子供がぶら下がったり、小さな子供なら足の中に入
 って行き来できるほどの太さがある。それが公園の空中にうねうねと浮かんでいる。
 はっきり言って恐ろしささえ感じた。

 とは言っても40すぎの男ですからまさか「夜中に襲ってくる」とは思いません。ただ、この公
 園の昼間に子供たちがきゃっきゃと遊んでる風景でも知ってるならいいのだが、「この公園、作
 ったはいいが何年も放置されてる忘れられた公園、廃屋ならぬ廃園の類じゃないだろうか?」な
 んてのが怖い。いかにも霊が住み着きそうじゃん。(霊番組は大好きだがとても怖がりの私)
 そもそもこんな道の駅の「裏」に作って誰が来る?誰が遊ぶ?表からは全く見えないじゃん。
 公園の周りは鬱蒼(うっそう)とした背丈ほどの雑草が生い茂ってる。
 山かな?暗くてわからない。とにかくこの公園のところだけフラットな地形であるようだ。

 目が慣れてくるといろいろ見えてきた。
 遊具の中にはレールの上を手回しハンドルで前後に動かせる乗り物があった(当然それもタコだ
 が)。そのレールの錆び具合を見れば利用者がいるのかどうか判断が可能だ。しかしヘッ電で照
 らすもののレールの痛み具合はよくわからない。砂に埋もれてるような気もするしそれでも動く
 ものかも知れない。。。実際に乗ってハンドルを回してみれば動くかどうかがかわかるなぁ・・

 でもそこまでして調べてどうするよ?
 調べて「動かない」とわかったらどうするのよ?
 って言うか深夜の真っ暗な公園でヘッ電付けた大人がそんな遊具に乗ってゴロゴロと移動してい
 たらそっちの方が怖いだろ?(目撃されるのも怖い(^^;)
 そんな葛藤が続く暗闇のタコ公園・・・

 体を拭いたタオルを洗い、干す、その間も視界に入るものと言ったらタコのオブジェしかない。
 なんでタコなんかなぁ・・・
 ここはタコが名産なんかなぁ・・・
 タコなんてどこでも獲れるんじゃないのかなぁ・・・
 あー・・・あんな奥の方にもタコがいるじゃん・・・げぇー・・(TT)

 あ!ラジオ!ラジオ!ラジオがあるじゃん!
 野営の時のために買ったラジオ、買いなおしたラジオ!4000円もするSONYの防災用ラジオ!
 防水仕様で光源もついてる♪
 ラジオを聞きながらビール飲もう♪そう思った。

 新しいアイテムの出番は嬉しいものだ。
 選局し、運良く天気予報も聞けた。あとは聞いたこともないDJと趣味でない音楽を聴きながら
 やっとビールを飲む。つまみも食う。タバコも吸う。うーん、落ち着く落ち着く。30分ほどで
 一人の宴会は終了。さぁ、寝るか・・・と、歯を磨きに5mほど離れた水飲み場へ行く、

 !

 その時目に入ったものが私の体を硬直させた。

 スイッチ? それが最初に頭に浮かんだ単語だった。
 水飲み場は右前方約2m、その反対側、左前方約5m先、ジャングルジムのタコの根元に緑色で
 小さく、しかし強く発光している光源が1つある。蛍?いや、微動だにしない。しかも光に強弱
 はなく、あきらかにLEDの光源のように眩しさを感じるぐらい明るい。

 工場の中でよく見かける電球に赤や緑のプラスチックのカバーを被せた、あの緑色だ。
 緑と言うよりエメラルドグリーンのような強い発光体。それががたった1つ輝いている。
 あのタコの中になにかON/OFFするようなスイッチがあるのか?あったのか?
 いや・・・このタコが電気仕掛けとは到底思えない、しかもランプの位置が低すぎる。
 光源の周辺は真っ暗でよくわからない。よく見ると光源は地面に転がってるようにも見える。
 あぁ、子供が忘れたおもちゃだな。スイッチが入ったまんまでLEDが光ってるんだろう。。。
 え?爆弾?・・・・そんな不吉な単語も浮かぶ。

 幸い「物の怪(もののけ)」の類ではない、明らかに人工の光。少し落ち着く。
 しかし・・・ちょっとまて・・『いつから』光っていたんだ??

 最初に光を見てここまで思いつくまでに約10秒かかった。

 そう気づいてからが怖かった。
 「俺はここに来てそろそろ1時間にもなる・・・さっきもこの角度は見てたはずだ・・それより
 一度この公園をぐるっと廻ったじゃないか。光っていればその時気づかないはずがない。あんな
 に光るものをこの暗闇で見逃すはずがない・・・・と、なると・・・俺が来たときは光ってなか
 った。。。何かの弾みでスイッチが入った?・・・時限式?・・・タイマー?・・・」

 そう考える最中でも私はその光から目をそらすことができない。
 怖い?安全?不思議?何?正体は?危険?確かめる?確かめる?大丈夫?何が?安全?怖い?
 いろんな脳波が渦巻く中、一歩だけ近寄った。ゆっくりと。

 恐怖映画を思い出す。
 やられキャラが恐る恐る覗き込む井戸や穴やドアの向こう、怖い化け物がいるとわかってる観客
 は「ばっかー!逃げればいいのに!危ない!危ない!死ぬよ死ぬよ!」とハラハラする。

 でも実際このような摩訶不思議な場面に出会うと「近寄って確認しようとする」のが人間なのね。
 今書いていてそう思った。

 ・・・・一歩だけ近寄った。ゆっくりと。するとその光が・・・・・・・



 朝が来た。
 05:40 ベンチの横で目が覚めた。
 眠い体に気合を入れて2日目がスタートした。


 え?光の正体はなんだったのかって?
 さぁ・・・・
 「この世に不思議なことなど1つもないのだよ」(by京極堂)
 とだけ言っておこう。 :-p

 (11泊目の夜編で回答がわかります)

7月23日 鷹巣国民宿舎、夕陽とのタイムレース へ続く