二輪魂

遙かなる高みを目指し、もがき苦しみながら
Monsterを走らせ続ける男の挽歌

8日目(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)

□コメント
最北端到達、リターン開始、幻の450号線、遠軽公園で野営

□本文

【8日目】7月29日(1)

<訂正>
 北海道の国道狩りで「n/56本」と表記して来ましたが56とは日本縦断で狩っ
 た全ての国道の数でした(55か56か実はまだはっきりしてませんが(^^;)。
 で、道内の国道は「48本」です(青森から続く279号線とおにぎりのない45
 0号線を含めて)。ですから今後の旅行記中では「n/48本」と表記を変更させ
 て頂きます。(北海道の国道を制覇する指針として分母は48とする)

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 8日目:7月29日 (1)最・北・端

 朝8時、ゆっくりした朝を迎えた。この旅の折り返し地点、宗谷岬までは160km。
 折り返し地点でもそれはもう気分的にはGOAL地点みたいなものだ。
 なんせ九州から一番遠い、日本で一番北にあるところなのだから。
 その最北端にあと160km。手中におさめたようなもの。気分的に「ついにここま
 で来たか」と安心さえもする。

 外はまた小雨が降っていた。天気予報では晴れると言っているのに・・・HDの彼と
 吉里吉里のカウンターでぼやきながらコーヒーを飲む。
 なぁに、焦ることはない。と言うかむしろここに1秒でも長くいたいのがホンネだ。
 じっくりとこの時間を楽しんでいた。
■挿絵(08:29) 吉里吉里のカウンターにて。(携帯カメラ)
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07290829-breakfast.jpg

 30分ほど地図を眺め、今日の狩り場をチェックする。最北端到達の大イベントはある
 がそれとは別に今日のルートでは九州を出発する前から気になっていた幻の450号
 線狩りの日なのだ。私が手元に持ってる50万分の1の尺度の地図では記載されてい
 ない450号線。事前に聞いた話では「高速道路」が「国道」になってるらしい。今
 までいろんな国道を狩ってきたがそんな国道聞いたこともない。高速道路が国道?有
 料なのか?それで下道なのか?果たしてどんな国道だろうか?狩れるものなのだろう
 か?地図を見ながらそんな物思いにふけっていた。

 ややしてHDが出発すると言う。こんな面白いHDには二度と会うこともないだろう
 とE−1でいっぱい写真を撮った。もちろん彼の住所も名前も聞いてない。だからそ
 の写真を後から彼に郵送することもない。彼も欲しがらない。そんなことはどうでも
 いいのだ。彼にとっては写されただけであり、私にとっては単なるネタ。よくある旅
 の友達ごっこなどはとっくに卒業していることをお互いにわかっているのだ。

 軽く手を振りHDを見送ると再びカウンターに陣取った。どうもこのカウンターとソ
 ファーは腰が落ち着きすぎる。困ったもんだ。

さて、今日のルートを説明しよう。
 挿絵参照、四角い囲みの一辺が約200km。黒い実線がルート。
■挿絵(map) 7/29ルート全体図
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-00729map10.jpg
 最北端に行き、網走方面へ南下しつつ途中でサロマ湖の手前で内陸に入り幻の450
 号線を見つけたらあとはそこらで宿泊。距離にして500kmぐらいになるかも知れ
 ない。本州で500はキツイが北海道ならそんなに難しい距離ではない。

 それでも昨日は160kmほどしか走っておらず、500も走るならそろそろ出発し
 た方がいいかな・・・時刻はもう10時を回っていた。しかしHDが出発した時は雨
 は上がっていたのにまた降ってきている。合羽を着るほどではないが・・・

 うーむ・・・・ぐずぐずしながらやっと重い腰をあげた。名残惜しいがもう目の前が
 最北端なのに「お預け」をくらってるようで我慢しきれなくなった。
 10:20、雨はやんだ。今か?・・・吉里吉里を出発する準備開始した。

 そして吉里吉里の出口で恒例の撮影だ。オーナーが一眼レフを構える。デジカメでは
 ない。ピースサインはしなかったがポーズを決めて槍号と私はいっしょに写真に収ま
 った。自分のカメラを取り出してシャッターを押してもらうことも、オーナーと肩を
 並べて写ることもしなかった。たった1枚、オーナーが写した写真だけがこの瞬間に
 存在し、そしてその写真は「再びここに来ない限り」決して見ることができない写真
 なのだ。
 私は昨晩、オーナーから差し出されたカードにこの写真のためのコメントを何か書い
 たがもうそれも覚えてない。何を書いたか?どんな姿で写ったのか?

 『それが知りたければまたここに来い、またここに来ればいい』

 たったそれだけの話である。
 (そんなこと無理やん・・・・)そう思いはしたが私はその思いに気が付かない振り
 をしてそのままバイクにまたがるとオーナー夫婦に軽い会釈をして国道に飛び出した。

 またいつか必ず来るような気もしたし、もうこれで二度と訪れることがないのかもし
 れない。それを今ここでどっちかに決める勇気はなかった。万が一、読者の誰かが吉
 里吉里に行き、2004年7月のアルバムを見れば私の写真が見られるだろう、しかしその
 写真を撮って画像を私にmailするような無粋なまねだけはしてくれるな。再び吉里吉
 里に行くかどうかはわからないが老後の楽しみを奪ってくれるな。

■挿絵(10:42) 吉里吉里を出て直後。曇天の羽幌町。(車載カメラ)
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291042.JPG

 このまままっすぐこの232号線を80km北上すると海岸線を走る有名なサロベツ
 原野のオロロン街道に入るがそこは国道ではないし21年前はオフロードバイクじゃ
 ないと走れないような道だったと記憶する。今、舗装されているかもわからないし、
 この天気だし、景勝地や観光地には興味ないから手堅く40号線に乗って内陸から稚
 内に向かうことに決めていた。オロロン街道に感動したライダーはいっぱいいるらし
 い、きっとそのライダーなら「そこまで行ってなぜサロベツ原野のルートで稚内に行
 かなかったのか?」と悲鳴に近い非難を浴びせることだろう。しかし何度でも言う。
 観光雑誌をなぞるような旅は旅ではなく旅行なのだ。俺は自由に旅をする。どこが綺
 麗だからとか、どこが素晴らしいから、何がおいしいとか、そんなものは旅の偶然の
 おまけでいいのだ。

 今回の旅を終えて一番返答に困る質問がある。それは
 「どこが楽しかった?」とか「どこが良かった?」とかその手の質問だ。
 「どこが」とか答え様もない。だってチョモランマの頂上を制覇して帰ってきた登山
 家にどこが面白かった?と聞いても「うーん、8合目のキャンプでね」とか言わない
 だろ?全然目的が違うのだ。旅行じゃないんだ。
 登山家ではないが、さしずめ私の中では下道縦断1人旅は立派な冒険であり、挑戦で
 あり、下道で日本縦断することそのものが目標であり、面白い場所とかそんなことを
 楽しむ感覚は全然持ち合わせてない。「いけるか?やれるか?」そんなツーリング(
 旅)なんだ。



 吉里吉里を出て15分もしないうちに雨が降って来た。
■挿絵(10:57) まるで21年前と同じ天候・・・(車載カメラ)
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291057.JPG
■挿絵(11:32) 30分後、まだ232号線、小雨・・・(車載カメラ)
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291132.JPG

 順調に80km走って40号線に乗ったところでなんとか雨はあがったが空は厚い。
 最北端まであと80kmか70km。
 本日初狩り。
■挿絵(11:43) 40号線ゲット【21/48本】消化狩り(カメラ:E−1)
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291143-R40.JPG
 
 ノンストップであと1時間、あと1時間程度でほんとに俺はまた最北端に到達する。
 その思いにテンションがあがるかと思われるだろうが実は私は何故か暗い気持ちに
 なっていた。なんだか「不安」に包まれていた。それはきっとタイムスリップした
 吉里吉里の影響かも知れない。

 なんと例えればいいだろう。

 あぁ、そうだ、皆さんが自分の育った小学校や中学校、または引越ししてしまった
 生家を訪れたことを想像してみるとこの「不安」な気持ちをわかってもらえるかも
 しれない。40代の人間なら自分の通った大学のキャンパスなんかがいいだろう。

 そこを歩いてみて欲しい。きっと3秒おきに「あぁ、ここは」「そう言えばここで」
 「あぁ、あいつはどうしてるだろう」「そうそうここであの時・・」そんな思い出
 が次々に湧き上がることだろう。
 誰もいないキャンパスでおもむろにベンチに座り、視線は宙を泳ぎ、頭の中で当時
 の情景や思い出が交錯し、そしてきっと小さなため息を1つつくだろう。
 そのため息の意図はなんだろう?

 別に嫌な思い出のせいでない、むしろ思い出すのは楽しかったことが多いはず。け
 れど何故か「楽しい思い出」なのに気持ちはセンチ(sentimental:感傷的)にな
 るはずだ。懐かしすぎる遠い遠い過去の記憶・・・

 今、最北端を目前にし、私は吉里吉里の感傷を断ち切れずにいた。懐かしい・・・
 あまりにも懐かしい思い出、その思い出にあまりにもどっぷりと直接的に接触して
 しまった弊害がこの曇天の空のように重くのしかかっていた。

 漠然とした不安、漠然とした後悔?、漠然とした21年間という時間、

 わかりやすくまた例えるなら、自分の通っていた高校の教室で誰もいない放課後の
 教室にたった1人で2時間、3時間、当時のままの机と椅子に座ってみたことを想
 像すればわかると思う。目の前の黒板、窓から見える景色、自分の座っていた席順、
 教壇にたつ先生の顔、隣の友人の顔、最初はそんな「懐かしさ」だけだろうが時間
 が経つにつれてきっと思うはずだ。

 『今の自分って・・・・』 と。

【8日目】7月29日(2)

 心理学的に言えば「なんとかシンドローム」みたいな名前がついた心の症状かもし
 れない。ホームシックをもじって言えば「タイムシック」とでも言おうか?とにか
 く走っていてその漠然とした不安や消失感(焼失感?)がどんどん大きくなってい
 った。

 あれから21年間・・・21年も時間が経った。
 そして今俺はここにいる。
 そして今「こんな」自分がここにいる。
 「こんな」自分になっている。
 今までの「21年」って何だったのだろうか?
 あの時から今まで、俺は「ちゃんと」した人間だったのだろうか?
 この21年間は「それで良かった」のだろうか?
 「正しい道」を歩いてきたのだろうか?
 今の俺は「間違って」ないのだろうか?
 頑張っていただろうか?
 「失敗」だったのではないだろうか?
 いや、それ以前にこの21年間。

 『俺は何をしてきただろうか?』

 就職もした、転職せずに20年なんとか勤めてる自分。
 日本全国回ったなぁ・・・
 結婚もした、子供も作らない生き方を選択した。
 家も買った、DUCATIに乗るようになった。(この俺が)

 それでも
 「この21年間はなんだったのだろうか?」
 その思いだけがどんどん大きくなるばかりである。
 
 私の生きた時間、21歳から42歳、人生で一番「いろいろ」あるこの21年間。
 1歳から22歳までの時間とは「質」が違う。あまりにも長い21年間。

 それなのに何故か「くだらない」ことばかりを思い出す。
 だらだらとした覇気のない時間があまりにも多すぎたような気がする。
 パチンコや麻雀に明け暮れた自分、
 昼まで寝てる自分、徹夜でゲームしてる自分、腐っていたこともある。
 そんなくだらない無駄な時間ばかりをすごしていたことをなぜか思い出してしまう。

 そしてそれが
 『これからも同じなのか?それでいいのか?』
 と、未来への言い知れぬ不安に変わる。

 答えは出ない、出るはずがない、今までが正しかったかなんてそんな大きな話、答え
 がでるはずがない。。。。。

 最北端まであと30km。鉄面皮のような顔でただひたすら目の前の国道を見ながら
 まるで他人のことのように通り過ぎる両脇の風景、道、今ままで走ってきた2千数百
 kmが21年の過去ならこの目の前の道は未来への道。その中をただただまた漠然と
 アクセルを一定にして6速60km/hでトラクションのトの字もないような走りをして
 いる自分、バイク。これぞ惰性・・・

 今の自分は『あり』なのか?、これから俺はどうすればいいのか?・・・・
 このままアクセルを握っているだけでいいのか?・・・・

 ん?晴れてきたかな?どんよりとした空のむこうにまっすぐに延びた道の先、その道
 の遠い先に少々明るい空が見えた気がした。
 そう思うや否やみるみる視界が明るくなってきた。これは演出でもなんでもない、ほ
 んとにあれよあれよという間に素晴らしい日差しが差してきたのだ。
 インターバル車載カメラがその時の様子を克明に記録していた。

12:01
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291201.JPG
12:06
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291206.JPG
12:11
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291211.JPG
12:16
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291216.JPG
12:21
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291221.JPG
12:26
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291226.JPG
12:36
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291236.JPG

 この天気と私の心がシンクロした。
 「今までの21年間は間違ってなかったのか?」とか、
 「これからの21年間はどう生きればいいのか?」とか、
 絶対答えなんて出るはずがないと思っていたのに脳の中にまでこの日差しが差し込ん
 できたかのようにぱぁっと日陰が晴れて回答に(真実に!)導かれた。

 今までがどうだったのかだって?そんな正解なんてあるわけがない。「正しい」とか
 「間違ってる」とか、そんな何が正しいかなんて知ったことじゃない。ただ単に「そ
 れでよかった」に決まってるじゃないか、だってそれは

 『その21年間があったからこそ、今こうしてココに居る』

 それがたった1つの揺ぎ無い事実、真実。我思う故に我あり。だ。
 人生で2度も日本縦断1人旅をできる、している自分がここにある。もし21年間、
 自分が自分らしくない生き方をしていたらこんなことをしていられるずがない。手堅
 い生き方だったのかも知れない、安全でうだつの上がらない21年だったかもしれな
 い。けれど日々悩み、笑い、働き、自分なりに自分を生きてきたからこそまたこんな
 冒険ができたわけではないか。それがベストかどうかは別にして「間違ってなかった」
 ことだけは正解だろう?

 そして「今からの21年」。
 それも悩む必要が無い。きっと「今まで生きたきたように生きて行けば」、21年後
 もまたもしかしたらバイクでここに、吉里吉里に行けるだろう。だから「今のまま」
 でいいのだ。それが人としての正解かどうかは知らない。けれどまた21年後に今の
 ようにありたいと自分がそう思うなら俺はこれからも「今のまま」でいいのだ。

 適当に生きて、適当に悩んで、適当に努力して、適当に喜んで、
 それが俺であって、それを続ければそれで満足できる俺がいる。
 その証拠が今日だろう?今だろう?
 何も反省しなくていい。何も否定しなくていい。このままでいい。それが答え。

 すごく気が楽になった。
 またバイクで1つ達観(つまらぬことにこだわらず真理を悟ること)した気分だった。
 6速60km/hから3速70km/hにする。グンとトラクションがかかる。ハンドルを持った
 両手に力が入る。力強く前に(未来に)進む。

 もしこの時、天候が回復しなかったら、私は今までの21年間とこれらかの21年間に
 不安を抱いたままこの旅を終えていたかも知れない、もしかしたら旅を終えたらバイク
 を卒業したいと思うほど落ち込んでしまったかも知れない。(なんせ21年間を自分の
 中で肯定できないのだから)
 自分を見つめなおす、その機会がまさしく一人旅の肝でもある。それを「地球の自然」
 と同調して体感できたことに素直に幸福を感じた。

 この急激な天候の回復はこの旅で一番のツーリングの神様からの最高のプレゼントだっ
 たと今でも思っている。そして感謝もしている。


 30分かけて幕はあがった。
 そして私は最北端に着いた。


 北緯45度31分。 
 2004年7月29日、12:41分。

 一番遠いこの地まで 自宅から2632kmの旅だった。



【8日目】7月29日(3)

 一番遠いこの地まで 自宅から2632kmの旅だった。



 さて、ついに到着した。その時私がどれほど感動したか?またきっと目頭が熱くなっ
 たとかそんな暑苦しい話が出るかと想像してる読者もいるかもしれないが実は結構
 淡々とした感情しかなかった。
 そりゃー着いた喜びはある、充実感も達成感もきっちりある。けれどそれは「やった
 ぜぇぇ〜!!v(^^)v」的な大喜びの感情ではなく、

 「はっ!楽勝、楽勝、できたじゃねーか、来れたじゃねーか、
  セパハンでもドカでも42歳でも下道でも、
  ヘヘ〜ンだ。
  って言うかこれで終わりかい?」

 自分へのご褒美とかそんな品のいい話もなく、むしろ中指を天に突き立てるようなポ
 ーズをしたい気分だった。なんと言うか格下相手に勝ったような「さも当然」のよう
 な感情だった(ほんとは嬉しいのに)。これは明らかに21年前とは全然違う感情だ
 った。21年前はそれはそれは素直に最北端到達の悦に浸ったものだった。

 けどこの感情の差異は私が大人になったせいもあるのだが、半分は(いや、半分以上
 は)今この目の前にわらわらと存在する観光客のせいだろう。もうまるっきりシラケ
 た雰囲気でしかない。
 品のない車の若者、アベック、ガキ、そして大型バスで乗り付けたジジババ軍団。こ
 んな何もない所に自分の意志も夢も希望もなくただただ「やってきた」だけの集団。
 どこを走ってるか知りもしないバスに乗せれられ、着いた場所場所で集合記念写真を
 撮り、缶ビールで近くなった小便のせいでバスを降りたらたちまちトイレに長い行列
 を作り、バスガイドが降りる時に何度も言ってるのにもかかわらず、ここは何時に出
 発するのか?と確認するまったくもって私の旅とは縁もゆかりもない生き物たち。

帰りのフェリーの中でこの時のことを書き綴っている。BBSにアップしたが忘れてる
読者も多いだろうから今一度引用しよう。

「最北端、12時すぎに到達したが着いた瞬間「しまった」と思った。旅に出る前は思
 っていたんだ。最北端には朝8時ごろには着きたい。と。その理由は観光客だ。大韓
 航空墜落(撃墜?)の事件以降、ここ、最北端には立派な慰霊碑もでき、海岸線は公
 園のようになり、多くの観光客が訪れるようになった。案の定、12時すぎで観光バ
 スやらの団体さんがうじゃうじゃ、とても感傷にひたる雰囲気ではない。(大半がジ
 ジババだし)

 21年前は最北端の碑は海岸べたに無造作に建っていてそこまで行くには砂浜のよう
 な石がごろごろとした土の上を20mほど歩いて行かなければなかった。電柱が1本
 建っていて拡声マイクがあり、そのマイクから「宗谷の岬〜♪」って変な歌が流れて
 いた。今考えるとあれはすごく変だったな。そうそう、そのとき俺はラジカセを積ん
 でいたんだ。思わずテープに録音したよ。その歌を。たしかそのテープもどっかにあ
 るはずだ。」

 21年前、私はここから20kmほど離れた稚内の駅の軒下で野宿をしていた。朝7
 時にはそこを出たから少なくても8時すぎにはこの最北端についていたのだ。ちょっ
 と写りは最低だが当時の写真を紹介しよう。

■挿絵(21年前) 曇り、平日、早朝、
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-0729-OLD-pole1.jpg
■挿絵(21年前) だ〜れもいやしない。記念碑の手前までバイクで行けた。
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-0729-OLD-pole2.jpg
うっすらと先代の姿も映っている。

■挿絵(現在) ところが今やこんなに立派な観光地。
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291301-1goal.JPG
■挿絵(現在) 駐車場もこんなに立派。
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291302-2.JPG
 この写真の右手の大きな2階建てのビルはたしか食堂だったはずで、21年前はそこ
 で食事をしたのを覚えてる。その時の記念に「割り箸」を1本失敬した。今回このレ 
 ポートを書くにあたって押入れをゴソゴソしてたらその「割り箸」が出てきた(笑)
■挿絵 押入れから出てきた21年前の記念品。
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-0729-OLD-etc.jpg
■挿絵 おお!21年前の最北端の「音」が入ってるテープもあった。
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-0729-OLD-tape.jpg

 建物の左手の奥にある丘に登ると大きな白鳥のモニュメントがある。21年前は無か
 ったこれが大韓航空墜落の慰霊碑でありこの最北端が美しい観光地に変わるきっかけ
 ともなったのは皮肉にもこの飛行機墜落事故だった。でも別にその公園に興味はない
 し歩くのは遠いし、たしか新婚旅行で来た時に見たような気がするし、丘の上からは
 絶景だろうけど別にここに「景色を見に来た」わけじゃないし。。。

 ま、けれど天気がいいし、来たからには証拠写真はいっぱい撮ろう。

■挿絵 今回の旅でベスト3に入るお気に入りの写真。
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291306-4.JPG
 この写真は会社のPCの壁紙として採用した。タイトルは「縦目の見た最北端」であ
 る。槍号もやっと先代と肩を並べたことになる。
■挿絵 駐車場から望む最北端の碑。天気が良すぎるほど良い。
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291307-5.JPG
■挿絵 とりあえず、と思って撮った写真。携帯電話のカメラにしては上出来だ。
笑顔は作り笑顔ではない、この時の自然な笑顔。そこは信じてくれ(笑)
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291303-3.jpg
■挿絵 おみやげ屋さんの入り口 気温が25度もある。暖かい。(携帯カメラ)
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291310.JPG

 こんなカンジでそそくさと写真を撮り、昼飯時だったので適当にここで昼飯を食べる
 ことにした。ぶらりと入った食堂でどうでもいいチャーハン(ホタテとかイカとかカ
 ニとかごちゃごちゃ余計な物が入った高級チャーハン。800円か900円した記憶
 がある)を食べてその隣のお土産屋に入るものの見事に欲しいものがない。なにか1
 つぐらい記念に買えるものがあるだろうと店内を2周回ったがほんとに何も買う物が
 ない。
 しょうがない、何も買わずに出るか・・・そう思っていた時、隣のアベックが店のお
 ばさんに言った「最北端証明書ください」と。我が耳を疑ったが2秒して思い出した。

 おおおおー!あったあった!そんなものが!

 そうそう!私は21年前、その証明書が欲しくて欲しくてたまらなかったのだ。きっ
 と雑誌の北海道ツーレポを読んでそんなものがあると知ったんだと思う。とにかくそ
 れは自分にとって最高に欲しいお土産だった。もちろん21年前、俺はそれを買った
 のだ。

 その「最北端到達証明書」が今も売ってるのか?
 ずっとずっと21年間、売っているんだ。ここで!?

 アベックが買うのを見て、さっそく私も買った。1枚100円である。買うときにタ
 イムスタンプを押してくれることも昔と同じだった。ビニール袋に入った名刺サイズ
 の証明書。はて?21年前と同じものだろうか?そう興味をもった私は今回のこのレ
 ポートを書くにあたって21年前の証明書を発掘し、2つを並べて写真に収めること
 に成功した。見てくれ、かなり貴重な写真である。
■挿絵  左が21年前の証明書、右が今回の証明書である
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-0729-OLD-2pole1.jpg
■挿絵  証明書の表?
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-0729-OLD-2pole2.jpg
 ちょっと面白のは21年の物にはこのように別の袋がついていた。
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-0729-OLD-syoumei.jpg
 しかも証明書の表はコーティングしてありピカピカで写真では分かりにくいが「最北
 端到達証明書」の文字は金色である。証明書の四隅の角もちょっと丸く加工してある。
 明らかに21年まえの方が高級感があるのだ。はっきり言って今年の奴はPCで作っ
 た手抜き感がある。同じ100円なのだが100円の価値が下がってしまったのかも
 知れない。
 そうそう、お土産屋も21年前はこんなんである。
■挿絵(21年前) 民家を改造したような平屋の店舗。
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-0729-OLD-shop.jpg
 写ってるバイクは先代で、お土産やの右上の看板にしっかり「日本最北端到達証明書」
 と書いてある。
 建物は立派になっていたが21年間も同じお土産があることとそれをゲットしたことで
 大変満足した気になった。

【8日目】7月29日(4)

 満足する自分へのお土産とかそうそうない。特に私の場合、お土産というより「戦利品」
 的なイメージがあるので少々のものでは満足しない。逆に1円もかけずにそこで拾った
 石や旅館や喫茶店のマッチの方がよほど戦利品としての価値がある。現地の音を録音し
 たテープも珍しい戦利品だが今回、押入れをかき回していると極めつけの珍しい戦利品
 を発見したので紹介しよう。
■挿絵 戦利品
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-0729-OLD-water.jpg

 これは「海水」である。左から
 1987年 本州最南端、南紀白浜の岬の海水。
 昭和62年(1987年) 四国室戸岬の海水。
 右の2つはこれが21年前の最北端のオホーツクの「海水」である。

 こんなものをお土産にしてる奴なんてそうそう居ないだろ?(笑)

 当時、旅先旅先で石とか水をフィルムケースに入れて持って帰ってきてたのは覚えてい
 るが押入れの中にそれがまだあったなんて自分自身ちょっとびっくりした。しかも蒸発
 もしないでタプタプと液体が入ったままなのである。

 こういった行為は動物学的に心理学的になにか理由があるのかも知れない。もしかして
 私はレプリカント(ブレードランナーに出てくる「自分の思い出を欲しがるアンドロイ
 ド」)でこの水タンクも誰かが用意した記憶でしかないのかも知れない。それほど今と
 なってはなんか現実から遠く離れた現実味のない戦利品だ。

 結婚してから長い一人旅にはそうそう出かけなくなったが今回の縦断もそうである。
 昔と違って「記念に!記念に!思い出に!」とあまり騒がなくなった。それは今までの
 このような旅の記念品が実に「役に立たないもの」だと思うようになったからだ。単純
 に歳をとったせいかもしれないが。。。

 21年前の最北端証明書。それが何になったかと言うと21年後に手に入れた証明書と
 見比べて、それをこうやって第三者に見せ、語る時にしかその存在理由がないのである。
 自分だけの思い出をいくら「物体」として集めてもその物体が活きるのはそれについて
 語る所有者がいて初めて「役にたつ」「日の目を見る」ものに変わるのだ。

 そう気がついてから私は旅先で物を(思い出を)収集することを辞めてしまった。

 それは結局「これを手に入れ、どうするのよ?」と思うようになったからだ。子供はい
 ない、必然的に孫もいない、伝える相手がまずいない。友人に語ることもないだろうし
 語ったとしても相手が興味がなければ「ふ〜ん」で終わり。結局ただのじじいの自慢話
 で自己満足。
 けれど今回はたまたまこのような旅日記を書く機会に恵まれ、不特定多数の人間に昔話
 やコレクション(戦利品)を紹介でき、それはそれで大変楽しいのだが、なんと言うか
 簡単に言えば私が死んだらこれこそただのゴミである。語ってくれる主人を無くした時
 点でどんなコレクションもただのゴミ。死期が近いと言えばおおげさだが21年前に比
 べれば寿命は半分になっている。そんな気持ちもあると思う。もしほんとに俺が若いま
 まの心を持っていたら今回の最北端でもやっぱりフィルムケースに海水を汲んで大事に
 大事に持って帰ったと思う。けど・・・・

 42歳になり、今更思い出の品を集めてどうするよ?(苦笑)

 そんなちょっと悲しい自分がいることにも(この原稿を書きながら)気づいてしまった。

 「物」はどうでいいのだ。物よりもこうやって語ることの方が歴史を伝えることになる。
 いくら最北端が観光地化され、情緒がなくなってしまっても、それも見た目の「物」で
 しかない。どんなに変わり果てようとも、やはりここは私の聖地であることには変わり
 ない。「物より思い出」どっかのCMのコピーをそのままパクろう。
 
 最北端思い出話、これにて終了。


 さて、そろそろ行くか。。。と言うかここからは『帰路』。リターンだ。

 しかしまだ30本以上の狩りが待ってる。
 さっさと狩ろうぜ、そしてさっさと帰ろうぜ。最北端で旅の9割が終わった気がした。
 けれどもこれから先、残り1割がまだ2000kmもあるなんて全く気がついてもいな
 かった。(笑)

■挿絵(おまけ) 21年前の戦利品アルバムより。
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-0729-OLD-album.jpg

<8日目:7月29日 (2)450号線  へ続く>

<8日目:7月29日 (2)450号線  >

 最北端をあとにオホーツク海を見ながら238号線を南東へ。
■挿絵(map) 7/29ルート前半(羽幌から宗谷岬まで156km)
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-00729map20.jpg
 この238号線はオホーツクに沿って走るなかなか風光明媚な国道だ。始点(網走)か
 ら終点(稚内)まで327.3kmもある長い国道。21年前は大シケの強風で気を抜けば反対
 車線にまでバイクを持っていかれ(乾燥重量200kgで荷物満載のアメリカンバイク
 が!)まともに運転できずマジで危険と判断して275号線から内陸へ逃げた記憶があ
 るが今回は快晴で快適。どのぐらい快適かと言えばもう真夏の北海道ここにあり?って
 ぐらい爽快な道が続く。
■挿絵(14:04〜14:19) 快適な238号線を快走中。
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291404.JPG
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291409.JPG
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291414.JPG
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291419.JPG

 宗谷岬を出て30分、なかなかいい狩場を発見して238号線をゲットした。
■挿絵(14:26) 238号線ゲット【22/48本】(カメラ:E−1)
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291426-2.JPG
 丘の上まで足を踏み入れ、撮影を楽しむ。
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291427-3.JPG

 とっても気持ちのいい道だ。
 しかし・・・しかしなんだなぁ、これは北海道を回ってる間ずっと感じていたことなの
 だが北海道の風景に感動なんてあんまりなかったです(^^;
 21年前の1/3程度でしょうか?テンション的には。
 「ああ、綺麗だね、雄大だね」「ああ、広いね、壮大だね」「ああ、直線だね、長いね」
 そんなカンジ。ここら辺ももう完全に「歳」のせいなのかも知れない(苦笑)

 途中、アベックのライダーが道端にバイクを停めてアングルをきめ、この気持ちのよい
 国道を走ってる走行中の記念写真を撮ろうとしていた。横目でそれをみながら、「2人
 でいっしょに走ってるところを撮りたいだろうなぁ・・・撮ってあげようかなぁ・・・」
 なんて親切心が持ち上がるがそうこうしてるうちにバックミラーから見えなくなったら
 すぐに諦めた。
 昔の俺だったらちゃちゃっとUターンして「どっから来たんですか?撮ってあげましょ
 うか?」とニコニコして臆面も無く話しかけたことだろう。

 あぁ・・・冷めてる俺がいる・・・・(少し反省)

 宗谷岬から60km、
■挿絵(14:53) 275号線ゲット【23/48本】(カメラ:E−1)
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291453-R275.JPG
 道路に横向きのちょっと変わったおにぎり。

 さらに238号線を南下。相変わらず最高のコンデションで巡航する。
■挿絵(15:02〜15:12) 快適な238号線は続く。
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291502.JPG
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291507.JPG
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291512.JPG

 275号線ゲットから81km走って雄武町についたころには17時を回っていた。
 宗谷岬から140km、時間にして4時間、平均時速35km。これは都会の国道を
 走るペースだ。途中撮影などして遊んでるせいもあるが北海道を走るペースとしては
 まぁなんとまったりペースだこと。

 そしてこの雄武町の「おうむ道の駅」で休憩しようと駐車場に入るがどうも今までの
 道の駅とは趣が違う。真ん中にででん!と背の高い近代的なビルがある。それだけ。
■挿絵(15:14) 「おうむ 道の駅」の建物。
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291714-1.JPG

 ぶらっと中に入るとがらーんとしたフロアに何のためかよくわからない椅子などが並
 んでいる。待合室のようだが何を待つための施設かさっぱり不明。「なんだろう?こ
 こ?」と眺めていると「展望台→」の看板を発見、ん?ここ上れるのか?しかも無料
 らしい。さっそくエレベータに乗って最上階に行ってみた。
■挿絵(15:14) 「おうむ 道の駅」展望台フロア
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291714-2.JPG

 へぇー、こんなになってるんだ。窓際に近寄りオホーツクを見下ろした。
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291714-3.JPG
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291714-4.JPG
 
 ふーん・・・流氷とか来るんだろうな、冬に来たらもっと痺れる様な景色を見れるん
 だろうな、へぇー、ふーん・・・しばし絶景?を堪能する。でも実は景色そのものよ
 りもこんな偶然拾った旅のイベントにドキドキしていた。そしてそれを楽しんでる自
 分が楽しい。しかも「無料」ってのが輪をかけて嬉しい(貧乏症)。やっぱり旅先の
 情報は知らないに限る。あらためてそう思う。冒険冒険♪このドキドキ感がない奴は
 どんなところに行ってもきっと楽しくないはずだ。

 人付き合いは冷め気味だが立派な大人のガキがそこにいた。 :-p

タイトル : 【8日目】7月29日(5)
記事No : 4605 ハハ[関連記事]
投稿日 : 2005/03/19(Sat) 20:11
投稿者 : Lipper

 雄武町のおうむ道の駅を後にして時刻は夕刻、本日の後半ルートに入る
■挿絵(map) 7/29ルート後半
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-00729map30.jpg

 まずは消化狩りで239号線をゲット、
■挿絵(17:33) 239号線ゲット【24/48本】(カメラ:E−1)
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291733-R239.JPG

 紋別に入ったところで(普通は有名なサロマ湖へ行くところだろうが)オホーツク海
 と別れて内陸へ向かう273号線に乗る。
 夕日が綺麗だったので携帯カメラで手抜き撮影。
■挿絵(17:50) 273号線に入ってすぐ。まだオホーツクが見える距離。
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291750.jpg

 この273号線を約1時間、76km進むと問題の450号線付近に到着する予定だ。
 早くそこに行きたいが北海道らしい道景(私の造語「道の景色」の意味)にはまって
 273号線を撮影。
■挿絵(18:31) 273号線ゲット【25/48本】(カメラ:E−1)
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291831-R273-1.JPG
 進行方向はバイクと逆向きであり、わざわざUターンしてこの写真を撮った。いわゆ
 る反対車線狩りだ。なかなかいい絵が撮れたと喜んでいたのだが、さらに20分走っ
 たところで陽が落ち、綺麗な月を拝むおにぎりに遭遇し再び273号線を撮りなおす。
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291851-R273-2.JPG

 この275号線の「どっちを」本採用にするか実は今でも決め切れていない。どちら
 もなかなかいい絵だと自負している。

 さて、もうそろそろ450号線に近くなったはずだ。事前の情報によると333号線
 と並走するような「自動車専用」の国道らしい。その名は「旭川紋別自動車道」と言
 うらしい。なんだそれ?

 縦断出発の3日前、二輪魂BBSでこの450号線について話していた。
 ★マークはこのレポートを書くにあたり補足追記した部分
===========
二輪魂BBSの過去ログより

 幻の450号線? - Lipper 07/19-23:36 No.6465
  Re: 450号線発見!? - こあ 07/20-01:31 No.6466
   やばいじゃん・・ - Lipper 07/20-12:50 No.6467
    Re: やばいじゃん・・ - こあ 07/20-17:36 No.6468
     ふーん・・無い国道もあるのか・.. - Lipper 07/20-17:57 No.6469
      kawasakiか。 - Lipper 07/20-18:06 No.6470
       Re: 申し訳ない... - こあ 07/20-21:29 No.6471

--------------------------------------------------------------------------------
投稿時間:2004/07/19(Mon) 23:36
投稿者名:Lipper
タイトル:幻の450号線?

 北海道殲滅ルート攻略にとりかかりました。
 理想のルートは終了。
 北海道内で1500kmみたい(苦笑)(★1500kmどころでない。2000kmはあった)

 でも1日500kmで丸3日間、つまり3泊4日でおつりがいっぱい。いい感じ。
 (北海道の500kmは九州の400kmと同等だから余裕はあると思える)
 (北海道は500kmなら500分かかります。平均速度60km/hが可能、
  これはスピードが出てるってより「信号がない」のが大きい。
  500分だと8時間走りっぱなしでクリア。
  いろいろ休んで12時間、朝8時から夜20時まで走ればOKって意味)

で、
 俺のデーターベースでは北海道に49おにぎりがある。
 地図でルート散策しながら・・・

 279と338は下北半島。280は津軽半島と判明。46個が正解。(★結果は48本)
 しかし450号線が見つからない。
 KOKUDOU.COMで調べたら450号線は

 旭川-紋別 で総距離29.8km!みじか!

 んで俺の全国マップリング地図では載ってません(^^;
 旭川について「あの〜、450号線って知ってます?」
 となるのだろうか?

 もうちょっと尺度の小さい地図で探しておきます(^^;

では。

投稿時間:2004/07/20(Tue) 01:31
投稿者名:こあ
タイトル:Re: 450号線発見!?

333号線のバイパス用道路のようです。
旭川紋別道と言う名前で、今は北見峠をバイパスする区間が開通
しているようです。
なんと、私の持っているガーミンeTrex用のMapSourceに掲載されていました。

ちょっと調べてみると...
450号線は、高規格幹線道路(自動車専用道の一般国道)のようです。
http://www.ab.hkd.mlit.go.jp/douro/kannai/gaiyou_01.html
北海道開発局網走開発建設部Top
http://www.ab.hkd.mlit.go.jp/index.html

投稿時間:2004/07/20(Tue) 12:50
投稿者名:Lipper
タイトル:やばいじゃん・・

早速情報ありがとう。
> 333号線のバイパス用道路のようです。

 昼休みに本屋で確認しました。
 非常に難しいポイントです。
 今回の国たまの難所でしょう。

 理由:旭川と北見のほぼど真ん中。

 どちらか行っても往復2時間だ。。。い、いやだぁ(^^;

さてどうなることやら。。。

投稿時間:2004/07/20(Tue) 17:36
投稿者名:こあ
タイトル:Re: やばいじゃん・・

> 早速情報ありがとう。
どういたしまして。

>  今回の国たまの難所でしょう。
追加情報として、「おにぎりハンター」
http://www.geocities.co.jp/MotorCity-Race/6496/
に、「高規格道路のために設置されていない国道」として、
450号が挙げられています。
もしかしたら設置されていることを期待して確認に行くか、
最初からあきらめるか、判断のしどころです。

投稿時間:2004/07/20(Tue) 17:57
投稿者名:Lipper
タイトル:ふーん・・無い国道もあるのか・・

> 追加情報として、「おにぎりハンター」
 2002年8月からやってる?
 ライダーって・・・バイクで?
 しかも九州から攻めてる。

 国たまのパクリか?
 国たまは2002年3月開始だもんなー
 ま、いいけどさ(^^;

> に、「高規格道路のために設置されていない国道」として、
> 450号が挙げられています。

 おにぎりが無い場合は[450]と書かれてある何かをゲットしてきます。

で、以後、追加情報は不要、

 本件(450におにぎりがないかも?)、知らない方が現地で面白かったはず。
 悔しさと驚きが1つロストしました(^^;

では(^^)/

投稿時間:2004/07/20(Tue) 18:06
投稿者名:Lipper
タイトル:kawasakiか。

>  ライダーって・・・バイクで?
 はぁ、バイクですね。kawasakiですね。
 よく走ってるね。感心感心。

 あっちが薄味ならこっちは濃味かな?(^^;

end

投稿時間:2004/07/20(Tue) 21:29
投稿者名:こあ
タイトル:Re: 申し訳ない...

>  あっちが薄味ならこっちは濃味かな?(^^;
おにぎりだけの記録写真と、本人のバイクと一緒の写真だと
濃さがかなり違うかと...

気を付けて旅を楽しんできてください。

#配慮の足りない追加情報でした。申し訳ない...(反省)

===========

【8日目】7月29日(6)

 この会話から事前に「450」と言う数字がかかれた「おにぎり」は存在しない、
 いや、存在しない「かも」しれない。とインプットされていた。国道魂(日本全
 国のおにぎりを写真に収める企画)にとってそれは由々しき問題である。
 国道のくせにおにぎりがない?
 事前にそんな考えもしないような国道が存在することを知ったことは現地での驚
 きが1つ消失してしまったので多少残念に思ったものだが、ネタバレで先に言う
 が、事前にこの情報を聞いていなかったら私は路頭に迷っていただろう。とにか
 く事前の予想通り、今回狩るのに苦労した国道のベスト3のうち堂々1位に輝く
 難所だった。

 273号線と333号線がクロスするポイント、そのポイント付近に450号線
 に入る道があり、450号線を狩ってから333号線を狩る予定だった。

 時刻は19時になり、333とクロスするポイントに到着し、[←333]の標識
 が目に入る。時速20kmほどに減速してちょっと悩んだもののそのまま333
 号線に乗った。実はこれがルートミスだったことはあとでわかる。
 もうこの時間になると車載カメラでの撮影も限界になってくる。まだなんとか明
 るいうちに450と333を狩りたい・・夜間狩りは難しいし・・・そんな夕闇
 の焦りからか、ろくに地図を見ず、(いや、地図を見ても私の持ってる地図には
 450号線は記載されていないのだが)確認せずにどんどん333に深く進入を
 してしまった。
■挿絵(19:13/19:18) 夕闇を疾走する槍号、撮影限界。(車載カメラ)
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291913.JPG
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291918.JPG
 
 旅を終えてじっくりと地図を見ると333と450の関係はこのようになっていた。

■273から333へ移るポイント。
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-0729-450-1.jpg
 画面上(北)から下へ進み、中央の赤い点で左折して333に乗ってしまった。
 地図を見るとそのポイントの手前500mに450に乗る入り口があるようにな
 っているがその時の私はその分岐に気がつかなかった。[←333]の標識を見た
 時のなんとなく感じた違和感はこのせいだったのかもしれない。

 450は北見峠をトンネルでショートカットする道路であり、この峠を越える人
 はまず間違いなく333は利用せず450を利用している。 
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-0729-450-2.jpg

 その証拠に333をひたすら走るが前も後ろも対向車もなーーーーーんもいない。
 結構な峠のワインディングで昼ならさぞかし気持ちいいだろう。
 しかし走っても走ってもたった1人の夜の333号線。
 おまけに虫がむごい、もうバッシバシ雨霰(あめあられ)のごとくヘッドライト
 やヘルメットに自殺してくる。

 おっかしいなぁ・・・450は未完成の高速道路でそれを無料で開放している国
 道らしいけど入り口らしい看板が一向に見当たらない・・・しかし道は1本道、
 先へ先へ進むしかない。しょうがない、とりあえず333号線をゲットすべく月
 をバックに撮影会。
■挿絵(19:24) 333号線ゲット【26/48本】(カメラ:E−1)
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291924-R333.JPG

 333に入ってもう1時間も走っただろうか?峠を越え、山を下り、寂しい人里
 にたどり着いた。そこでやっと450号線らしき看板を発見した。
■挿絵(19:39) 峠を越えて「旭川紋別自動車道」の看板を発見。
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291939-1.JPG
 緑色の高速道路の看板のくせに「通行無料」と思いっきり書いてある。

 しかしこの時、私はここが450の「入り口」で、やっと見つけたこの入り口か
 らさらに東へ(先へ)移動できるものと思っていた。真っ暗な田舎町をガラガラ
 とうるさい音をたてて期待を込めてその「入り口」=「白滝IC」へたどり着き、
 「通行無料」を疑いながらゲートへ通じる登り坂を進む。
 しかしゲート直前、目の前の行き先表示板を見て愕然とした。

 [↑旭川]

 はぁ?なんでやんねん!旭川って今越えた峠の「向こう側」じゃないのか?
 嘘でしょ?なんで「戻る」わけ?
 やっべー、ひとまず退散、退散、バックバック、
 ちょっと1回地図を見よう、ちゃんと1回地図を見よう。

 そう思うがいなやゲート前でクルッとUターンして100mほどの一方通行の道
 を「逆走」して入り口まで戻ってきてしまった。(その時に1台の車とすれ違い、
 驚かせてしまいました。すみませんm( )m)

■挿絵 入ってすぐに引き返した旭川紋別自動車道「終端」の白滝IC
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-0729-450-4.jpg

 いやー、逆走もそうだが焦る焦る。いったいここはどこ?久しぶりに自分の現在
 位置を完全にロストしてしまった。とっぷりと日が暮れた人気(ひとけ)のない
 道端で私は街灯の下で眉間に皺をよせて地図を開いた。450号線は載ってない
 が、この「白滝」って場所は乗ってるはず。。。

■挿絵 実際の地図とは違うが尺度的にこの程度の大きさでしか確認できない。
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-0729-450-3.jpg
 青い線の区間が333と450が平行する区間、約30km。

 あぁ・・・この白滝ってには450の「入り口」じゃなくて(本来のルートで行
 けば)「出口」だったのか・・・
 333に入るときに450に行くような看板あったっけ?なかったよなぁ・・・
 はぁ・・・位置関係はなんとか把握できたが・・・・いくつかの問題が同時に持
 ち上がる。

 1.「450」のおにぎりをゲットしなければならない。
 2.目の前の450号線のICに入れば無条件に30km戻ることになる。
  (高速道路だから次のICまで行くしかない)
   しかも『またここまで戻ってこなくてはならない』い、いやじゃぁ・・・
 3.しかも「おにぎり」があるかどうかの保障は無い。(と言うかさっきちょっ
   と入ってわかったがまずこの道路にあの逆三角形のおにぎりがあるとは思
   えない)
 4.このまま450は無視しますか?
 

 出口(入り口)で10分ほど悩んだ。かなり悩んだ。近くにコンビニの明かりで
 もあればそこで地図を立ち読みしたり休憩したりもできるが何もないまっくらな
 町。見知らぬ土地で今夜寝るところも決めてないのに今から往復で1時間・・・
 しかも「たぶん無い」とわかってるおにぎりの為に意味のない道路を1時間も・
 ・・でも450を走りもせずに引き下がるのか?・・

 結論はわかってる。ただ、なかなかそれにスイッチが入らない。タバコをもう1
 本吸って立ち上がった。

 ええい!仕方ない、自分に嘘をつくわけにはいかん、ここから入って戻るしかな
 い。・・・往復60kmか・・・がっくり肩を落としてエンジン再スタート。
 「ほんとうに450のおにぎりは存在しないのか?」もこの目で見ないといけな
 いし、確認したかった。ここで引き下がってはきっと後々後悔するにきまってる。
 わかっちゃいるが・・・・往復60km(泣)

 高速国道に入って3分、あら、結構車いるじゃん、やっぱ333を走らないでみ
 んなこっちを走っているんだ、なんて思った。
 しかしこりゃーまるでほんとの高速だ、おにぎりがあるわけない。3分走っただ
 けでそう思った。さらに5分ほど走ると「対面交通」となった。

 え?対面なの? え? あは、・・・・・ラッキー(^^)  それはなぜか?
 ここでUターンできるじゃん!である。(いいのか)

 ははは、いいんだよ、ここは「国道」だもん。Uターン禁止マークもない(高速
 道路設計だからあるわけがないのだが)。それを心の盾にしてUターンを決行。
 もちろん長い直線で前後に車のヘッドライトの明かりのかけらもないタイミング
 で焦らずにUターンをした。(実際、Uターンが禁止なのかどうかはわかりませ
 んが、ま、普通Uターン禁止のような気がします。だってセンターライン上のポ
 ールとポールの隙間をぬってUターンしたんだもん。(内緒))

 10分走ってまた元の場所に戻ってきた。途中、車載カメラでとりあえずの証拠
 写真は撮った。450って数字はどこにもないけどこれは「450を走った」記
 録として十分認められるだろう。(私自身が認定者だし(笑))
■挿絵 国道333号線に通じることをしめす「緑色の」国道標識。
    (19:52) 幻の450号線ゲット【27/48本】(カメラ:車載カメラ)
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07291952-1.JPG

 450の偽国道、いや、偽高速?、全区間走ったらおにぎり標識はあっただろう
 か?いや、「ない」のだがその真意を自分の目で確認していないことはちょっと
 悔しい。けど450を走った、たしかに走った。未来の高速道路でUターンもし
 た(反省?)。しかしこの偽国道の情報を知っていなかったらこの時間こんな山
 の中で「450号線がない!450号線がない!なんだか無料の高速道路はある
 けど450号線がない!」と途方に暮れていただろう。
 それも旅の一興ではあるのだが正直「(事前に)知っててよかった」とマジで思
 った。助かった。(おにぎりがない国道、実は日本にまだ数本それがある。。。)



【8日目】7月29日(7)



 白滝を出て走ること35km、333号線の終着地についた。白滝よりもうんと
 大きな町で明るくほっとする。ここから242号線を北に5kmほど行くと「遠
 軽(えんがる)公園」がありキャンプ場もあることを地図で確認した。
 20kmほど進めばサロマ湖があり、そこならいっぱいキャンプ場もあるだろう
 し、いろんなライダーも集まってることだろう。けれども時刻はもう21時。テ
 ントの設営もしなければならないから近場で落ち着きたかった。

 遠軽公園の入り口のコンビニで夕食を買い(宗谷岬から何も食べてない)、コン
 ビニのお姉さんに公園までの道順を確認、幸い標識もこまめに出ていたので迷う
 ことなく遠軽公園(正確に言うと「太陽の丘えんがる公園」)に到着。

 しかしまたこの公園が広い。暗い。よくわからん。

 5m 5mぐらいの馬鹿でかい公園の地図をマグライトで照らしながらキャンプ
 場の場所を確認し、トイレと芝生と三角きのこのバンガローがある広場をキャン
 プ場だろうと勝手に決め付けテントを設営。
 またしても誰もいない。遠くに家族連れのテントらしきものはあるが・・・
 30分かけて荷を降ろして着替えてテントを張ってランタンを燈して落ち着いた
 ころ、1台の車がやってきて1人の男性が三角きのこのバンガローに入っていっ
 た。聞いたところによると夕方5時までに市役所(管理事務所?)でバンガロー
 の鍵を手に入れれば利用できるとのことらしい。
 非常に憧れるバンガローだったが行き当たりばたったりの私の旅ではどうも縁が
 なさそうだ。夕方までに鍵を手に入れることが難しい。。

 ランタンの明かりの中、ラジオを聴きながらTシャツ1枚で夜風に吹かれてBB
 Sにこの場所の経度緯度を書き込んだり、質素で楽しい夕食とワンカップで宴を
 楽しむ。
■挿絵(21:51) えんがる公園でたった1人の遅い夕食。でも幸せ。
http://www.koa.jp/ducati/Ferrari/Nippon4700km/sasie-07292151.jpg

 今日の朝、吉里吉里を出発してから12時間。たった12時間しか経ってないの
 に、今日はほんとにいろんなことがあったなぁ・・・

 明日は快晴だとラジオが言う。にひ♪
 23時ごろに寝たと思う。

<9日目:7月30日 GPSナビを信じよう に続く>